イスラエル、ガザ南部への攻撃継続 戦争拡大の懸念高まる
国際社会からパレスチナ自治区ガザでの戦闘停止と戦争拡大の防止を求める声が高まる中、イスラエル軍は12日も、ガザ南部の都市ハンユニス近郊での作戦を続行した。イスラエル南部スデロットで2023年5月撮影(2024年 ロイター/Ammar Awad)
Nidal al-Mughrabi
[カイロ/ワシントン 12日 ロイター] - 国際社会からパレスチナ自治区ガザでの戦闘停止と戦争拡大の防止を求める声が高まる中、イスラエル軍は12日も、ガザ南部の都市ハンユニス近郊での作戦を続行した。
パレスチナの医療関係者によると、この日のイスラエル軍の攻撃で少なくとも18人が死亡。ガザ市郊外や最南部ラファでもそれぞれ数人の死者が出た。新たな避難命令が出され、退避を余儀なくされる民間人も一段と増加した。
こうした中、パレスチナのイスラム組織ハマスは15日に予定されているエジプトとカタールの仲介による停戦協議に対し懐疑的見方を示し、イスラエル側からの動きは見られなかったと述べた。
ハマスに近い2人の情報筋によると、ハマスは、新たな会談要請は最高指導者イスマイル・ハニヤ氏やイラン支援下にあるレバノンの武装組織ヒズボラの幹部暗殺に対する報復を抑止するため、イスラエルと事前に調整されたものだと確信しているという。
これについて仲介交渉に近いパレスチナ当局者は「これは婉曲な拒否だと言える。ハマスが実行可能な計画を得られれば状況は変わるかもしれないが、今のところハマスはイスラエルのネタニヤフ首相が合意することに真剣ではないと考えている」と述べた。
米国務省は停戦協議が予定通り進められると予想していると述べ、停戦合意は依然として可能だとの見方を示した。
国務省のパテル副報道官は定例会見で、米国は協議が継続することを十分期待しており、関係国と引き続き協力していくとし、合意はまだ可能だと付け加えた。
「交渉が当然のように前進することを十分期待している。交渉担当者全員が交渉のテーブルに戻り、この合意を締結させるべきだ」と述べた。
会談がハマス抜きで行われるのか、もしくは、米政府がハマスの参加を確実にするために地域のパートナー国と協力しているのかについては明らかにしなかった。
イスラエルのガラント国防相は11日、オースティン米国防長官と電話会談し、イランがイスラエルに対する大規模な攻撃を準備している兆候があると伝えた。ニュースサイト「アクシオス」のバラク・ラビド記者が会談に詳しい関係者の話としてXで明らかにした。