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プラスチック条約、生産制限でまとまらず11月釜山会合へ持ち越し

2024年05月01日(水)09時53分

4月30日、オタワで開かれていたプラスチックごみによる汚染を国際的に規制する条約作りを目指す政府間交渉委員会は、11月25日に始まる韓国・釜山での次回会合までに追加協議の機会を設けることで合意して閉幕した。写真はパキスタンのカラチで2023年6月、リサイクルのために回収されたプラスチックシートを洗う男性(2024年 ロイター/Akhtar Soomro)

Valerie Volcovici

[オタワ 30日 ロイター] - オタワで開かれていたプラスチックごみによる汚染を国際的に規制する条約作りを目指す政府間交渉委員会は30日、11月25日に始まる韓国・釜山での次回会合までに追加協議の機会を設けることで合意して閉幕した。プラスチックの生産量を制限すべきかどうかを巡り激しい議論が交わされ、会合は未明までもつれ込んだ。

追加協議の対象には、発展途上国が条約に対応するのを支援するための資金提供も含まれる。また各国は、有害なプラスチック製品などを判定するためのプロセスを考案することでも合意した。

だが各国は、プラスチックの生産量を見直しや、持続不可能な生産量の決定のための公式プロセスを打ち立てるには至らなかった。

釜山での次回会合での合意を目指す条約は、気候変動や環境保護に関連する取り決めとしては2015年のパリ協定以降で最も重要な内容となる可能性がある。

プラスチック汚染の持続可能な程度を検証するためにルワンダとペルーが提起した案は、50カ国以上が支持すると表明した。

ルワンダの交渉責任者、ジュリエット・カベラ氏は、プラスチックの生産量は2050年までに3倍に増えると見込まれるが、現在の水準は既に「持続不可能であり、リサイクルと廃棄物処理の限界量を遥かに超えている」と述べた。

一方、生産量を抑える目標を設定する取り組みは、サウジアラビアや中国など一部の石油化学生産国からの強い反対に直面した。

環境団体は、あまりにも多くの政治的妥協により最終的な条約の効果が薄れる恐れがあると警鐘を鳴らした。

ロイター
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