中国とベトナム、関係強化で共同声明 南シナ海巡る協力で合意

12月12日、中国とベトナムは、両国の関係強化と「未来を共有する」共同体の構築について合意した。サンフランシスコで11月17日撮影(2023年 ロイター/Carlos Barria)
Francesco Guarascio Khanh Vu Phuong Nguyen
[ハノイ 12日 ロイター] - 中国とベトナムは12日、両国の関係強化と「未来を共有する」共同体の構築について合意した。習近平国家主席による6年ぶりのベトナム訪問に合わせて共同声明に署名する見通し。
13日の正式署名を前に記者団に公開された共同声明によると、ベトナムは「人類のための未来を共有する共同体構築のイニシアチブを支持する」ことに合意。
関係筋によると、中国は「運命共同体」という文言にこだわってきたが、ベトナム側は当初、この表現を使うことに消極的だったという。英語とベトナム語では「未来を共有する共同体」とやや弱い表現に翻訳されている。
経済面では非常に緊密な関係を築いている両国だが、南シナ海の境界を巡って対立しており、長年にわたる紛争の歴史がある。
両国は、南シナ海のトンキン湾における合同パトロールや漁業関連事件を扱うホットライン設置で2つの協力文書にも署名。緊張緩和につながる可能性がある。
このほか国境をまたぐ鉄道や通信などの分野で30余りの合意文書を交わした。ベトナムの当局者によると、当初提案された45件より少なかったという。習主席は12日付のベトナム国営紙への寄稿で重要鉱物やレアアース(希土類)における協力強化を呼びかけていたが、合意に至らなかった。