米の支援遅延で戦争敗北の「大きなリスク」=ウクライナ大統領府長官

ウクライナのイェルマーク大統領府長官は5日、米国の対ウクライナ支援が遅延すれば、ウクライナがロシアとの戦争に敗北する「大きなリスク」が生まれると懸念を示した。写真は6月29日、ウクライナの首都キーウで記者会見するイェルマーク大統領府長官(2023年 ロイター/Viacheslav Ratynskyi)
[ワシントン/キーウ 5日 ロイター] - ウクライナのイェルマーク大統領府長官は5日、米国の対ウクライナ支援が遅延されれば、ウクライナがロシアとの戦争に敗北する「大きなリスク」が生まれると懸念を示した。
イェルマーク長官は米シンクタンクの米国平和研究所(USIP)のイベントで、支援が遅延されれば 「ウクライナが現在置かれている状況にとどまる大きなリスクが生じる」とし、「そうなれば当然、継続的な(領土の)解放が不可能になり、(ウクライナが)この戦争に負ける大きなリスクが生まれる」と述べた。
ウクライナ政府は来年の財政収支は430億ドルの赤字になると予想。イェルマーク長官は直接的な予算支援がなくなる脅威を問題点として挙げ、「直接支援がなければ、ウクライナが現在のポジションを維持するのは困難になる」と指摘。「だからこそ一刻も早く採決されることが極めて重要になる」と訴えた。
イェルマーク氏がワシントン訪問するのは、過去数週間で今回が2回目。今回の訪問中に、米議会が新たな支援策を承認することの重要性について議員や政府当局者に働きかけると語った。
米ホワイトハウス行政管理予算局(OMB)のシャランダ・ヤング局長は前日、米議会が行動を起こさなければウクライナ支援の資金が年末までに枯渇すると警告している。