ニュース速報
ワールド

印、ベネズエラ産原油の購入再開 米国の制裁緩和で

2023年12月04日(月)11時13分

 12月1日、米国が10月、ベネズエラの石油・ガス部門に対する制裁を緩和したのを受け、インドの石油精製企業がベネズエラ産原油の購入を再開している。写真はインドのムンバイにあるガソリンスタンドで2018年5月撮影(2023年 ロイター/Francis Mascarenhas)

Nidhi Verma Marianna Parraga Florence Tan

[ニューデリー/ヒューストン/シンガポール 1日 ロイター] - 米国が10月、ベネズエラの石油・ガス部門に対する制裁を緩和したのを受け、インドの石油精製企業がベネズエラ産原油の購入を再開している。事情に詳しい複数の筋が明らかにした。

インドの大財閥リライアンス・インダストリーズのチームは4日からの週に、ベネズエラの国営石油会社PDVSA幹部らと直接購入について協議する予定だという。

貿易関係者5人によると、インドの精製企業3社が、ベネズエラ産原油、合計約400万バレルを2月渡しの契約で購入した。価格はDESベース(海上運賃や保険料などを売主側が負担する条件)で北海ブレント油をバレル当たり7.50─8ドル下回る水準。

1人の関係筋によると、リライアンスとPDVSAとの交渉では、インドによる原油購入と併せてインドからベネズエラへの燃料輸出について話し合われる見通しだ。

リライアンスはかつて、PDVSAにとって2番目に大きい顧客であると同時に、ベネズエラに対する重要な燃料供給元だった。

インドが直近でベネズエラ産原油を購入したのは2020年にさかのぼる。現在ロシア産原油の主要な買い手となっているインドにとって、ベネズエラ産原油の購入再開は輸入コストの軽減につながるほか、中東産原油への依存をさらに減らせる可能性がある。

米国の制裁緩和を受け、業者を介して主に中国向けのベネズエラ産原油・燃料のスポット販売契約が増えている。ただベネズエラの石油生産は不安定で、輸出量には限界がある。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米連邦緊急事態庁の長官代行を解任、トランプ氏方針に

ビジネス

訂正-中国SMIC、関税の影響注視へ 見通し不透明

ワールド

米国防長官、トランス兵士らが自主離職しなければ強制

ワールド

新たな経済対策、減税と給付が骨格との考え変わりない
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 5
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 6
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 7
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 8
    あのアメリカで「車を持たない」選択がトレンドに …
  • 9
    日本の「治安神話」崩壊...犯罪増加と「生き甲斐」ブ…
  • 10
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 8
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中