米モンタナ州のTikTok禁止法、連邦地裁が仮差し止め命令

米連邦地裁は30日、中国系動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」を禁止するモンタナ州の法律について、利用者の言論の自由を侵害するとして、来年1月1日に予定していた施行の仮差し止めを命じた。写真は2019年11月撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
David Shepardson
[30日 ロイター] - 米連邦地裁は30日、中国系動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」を禁止するモンタナ州の法律について、利用者の言論の自由を侵害するとして、来年1月1日に予定していた施行の仮差し止めを命じた。
同法が「州の権限を超え、利用者の憲法上の権利を侵害する」との見解を示した。また、同州の訴訟や法律には「底流に広がる反中感情が浸透している」と言及した。
TikTokは地裁が「この違憲な法律を認めず、何十万人ものモンタナ州民が今後もTikTokで自分を表現し、生計を立て、コミュニティーを見つけられること」を喜んでいるとコメントした。
モンタナ州のヌードセン司法長官の報道官は、まだ仮差し止めの段階で、審理が進めば判断が変わる可能性があるとコメント。「中国共産党による個人情報の取得と利用からモンタナ州民を守るこの法の弁護に、法廷で全面的な主張を行うのが楽しみ」だとした。
TikTokは5月、禁止法が合衆国憲法修正第1条で保障された同社と利用者の言論の自由を侵害するとしてモンタナ州を提訴。州内の利用者も差し止めを求めて提訴していた。
州側は利用者の個人情報や中国によるスパイ行為の可能性を巡る懸念を理由に法律の妥当性を主張した。
TikTokは裁判所への提出文書で、米利用者のデータを中国政府と共有したことはなく、今後も共有しないとし、利用者のプライバシーと安全を確保するために多くの措置を講じてきたと強調していた。