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米政府閉鎖迫る、議会足並みそろわず 上下院が異なる予算案推進

9月28日、米連邦議会では上下両院の足並みがそろわず、新会計年度が始まる10月1日に政府資金が不足して数十万人の連邦政府職員が一時帰休となり、経済指標発表や食糧給付などあらゆるサービスが停止する可能性が高まった。25日、ワシントンで撮影(2023年 ロイター/Jonathan Ernst)
David Morgan Moira Warburton
[ワシントン 28日 ロイター] - 米議会で民主党が主導する上院は28日、過去10年間で4回目となる政府機関の一部閉鎖を回避するため、超党派のつなぎ予算案を前進させた。一方、野党共和党が多数派の下院は成立の見込みがない党派的な歳出法案の採決を実施した。
上下両院の足並みがそろわず、新会計年度が始まる10月1日に政府資金が不足して数十万人の連邦政府職員が一時帰休となり、経済指標発表や食糧給付などあらゆるサービスが停止する可能性が高まった。
下院は政府資金の一部を賄う4本の法案のうち3本を可決した。ただ、上院民主党の強い反対を押し切って成立させたとしても、それだけでは政府機関の閉鎖を回避することはできない。
上院は連邦政府支出を11月17日まで延長するつなぎ予算案の審議開始を76対22で可決した。国内の災害対応とウクライナ支援向けにそれぞれ約60億ドルを充てる内容。
共和党はすでに上院案を拒否している。
下院共和党は保守強硬派を中心に、バイデン大統領とマッカーシー下院議長が5月に合意した2024年度の歳出水準に反対し、さらなる削減を求めている。メキシコとの国境における移民流入阻止に向けた厳しい措置も要求している。
マッカーシー下院議長は28日、上院民主党がつなぎ予算案で国境問題に対処することに同意すれば、閉鎖は回避できるとの考えを示した。
下院保守強硬派の議員連合「フリーダム・コーカス(自由議連)」は28日にマッカーシー氏に宛てた公開書簡で、残り7本の歳出法案可決に向けたスケジュールと、裁量的支出のさらなる削減計画などを求めた。
一方、上院民主党トップのシューマー院内総務は「議会が閉鎖を回避するには超党派という選択肢しかない」と述べた。
下院の農業向け資金に関する法案は237対191で否決された。資金の大幅削減や中絶薬へのアクセスを制限する条項への懸念から、競争の激しい選挙区の穏健派を中心に共和党の27人が反対した。