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米原油先物が約1年ぶり高値、世界的な供給逼迫懸念で

9月28日、アジア時間の原油先物は上昇。今年の高値で引けた前日から上げ幅を拡大している。写真はバルセロナのガソリンスタンドで2022年2月撮影(2023年 ロイター/Nacho Doce)
Florence Tan
[28日 ロイター] - 米WTI原油先物がアジア時間に1ドル超上昇し、1年余ぶりの高値を付けた。米原油在庫が大幅減少し、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の供給削減を巡る懸念に拍車をかけた。
米WTI先物は昨年8月以降初めて1バレル=95ドルを上回った。0145GMT(日本時間午前10時45分)時点では0.92ドル(1%)高の94.60ドル。
北海ブレント先物は0.77ドル(0.8%)高の97.32ドル。一時、昨年11月以来の高値を付けた。
8VantEdge(シンガポール)のシニアポートフォリオマネジャー、ステファノ・グラッソ氏は「石油市場は夏に発表されたOPECプラスの削減が原油供給に深刻な影響を及ぼしているという事実を急速に受け入れつつある」と指摘。
「需要が伸び続ける中で在庫は減少している。需要破壊を引き起こすような価格水準にはまだ程遠い」と語った。
米エネルギー情報局(EIA)が27日発表した週間在庫統計で米原油在庫は220万バレル減と、市場予想の32万バレル減を大きく上回る落ち込みとなった。
米原油先物の受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングの原油在庫は94万3000バレル減少し、2200万バレル弱と2022年7月以来の低水準となった。
クッシングの備蓄量は、旺盛な精製・輸出需要により歴史的低水準に近づきつつある。