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シェルCEOに社員が公開書簡、再生エネ移行鈍化に「深い懸念」

英石油大手シェル の社員2人がワエル・サワンCEOに再生可能エネルギー投資を縮小しないよう求める異例の書簡を公開し、CEOの戦略に対して社内から圧力が高まっている。写真はロンドンのガソリンスタンドで2月撮影(2023年 ロイター/May James)
Ron Bousso
[ロンドン 27日 ロイター] - 英石油大手シェル の社員2人がワエル・サワン最高経営責任者(CEO)に再生可能エネルギー投資を縮小しないよう求める異例の書簡を公開し、CEOの戦略に対して社内から圧力が高まっている。
この書簡はシェルの社内ネットワークで今月上旬に公開され、ロイターが内容を確認した。サワン氏は6月の投資家説明会で、リターンを高める戦略の一環として、再生可能エネと低炭素事業への投資ペースを落とす計画などを明らかにしていた。
シェルの低炭素部門に所属する2人の署名が記された書簡は、投資家説明会などでの発表に「深い懸念を抱いている」とし、「シェルがエネルギー転換のリーダーとしての道を進み続けることを願う」などと訴えた。
同社関係者によると、書簡は8万回以上の閲覧され、1000を超える「いいね」を集めたほか、多くのコメントも付いたという。
サワン氏も書簡にコメントし「簡単な答えはなく、ジレンマや挑戦に事欠くことはない」とした上で「シェルが人々に手頃で安全なエネルギーを毎日提供することを誇りに思い、時間をかけてネットゼロエミッション事業に移行し、顧客に低炭素のソリューションを提供する努力をしている」と主張した。