ニュース速報

ワールド

トルコリラ最安値更新、21年危機以来の急落 安定化措置緩和観測

2023年06月07日(水)16時55分

 6月7日、トルコ通貨リラは5.8%急落して最安値を更新、2021年終盤の危機以来となる取引時間中の落ち込み幅となった。写真はリラ紙幣。昨年5月撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic)

[アンカラ 7日 ロイター] - トルコ通貨リラは7日、5.8%急落して最安値を更新、2021年終盤の危機以来となる取引時間中の落ち込み幅となった。当局が安定化措置を緩めるとみられている。

リラはエルドアン大統領の再選以来、強い外為需要で圧力を受けている。

0624GMT(日本時間午後3時24分)時点で、リラは1ドル=22.70リラ。一時は最安値更新となる22.85リラを付け、今年に入ってからの下落率は18%近くに達した。

トルコは高インフレにもかかわらず金利を引き下げるなど、長年にわたる型破りな政策が投資家心理を圧迫してきたが、政策立案のベテランであるシムシェキ元財務相が新財務相に任命されたことから、よりオーソドックスな経済政策への回帰観測が出ている。

資産運用会社GAMの新興国市場債券担当ディレクター、ポール・マクナマラ氏は「政治的な干渉がなくても、トルコを持続可能な道に乗せる過程は不安定で、大幅な切り下げと金利上昇を伴う可能性が高い」と指摘。「リラの公正価値は15%ほど低いと思われるが、外部からの実質的な支援なしに切り下げを抑えることは非常に困難だろう」と述べた。

トルコ当局は現在、数年にわたって離れている外国人投資家が戻ってくることを期待しているが、市場関係者は「エルドアン氏は過去に伝統的政策に回帰したが、その後考えを変えた」として警戒を緩めていない。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「豪華装備」競う中国EVメーカー、西側と

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 4

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中