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ロシア・ウクライナ双方の首都にドローン攻撃、モスクワ市民戦慄

ロシアの首都モスクワで30日、これまでで最大級のドローン(無人機)攻撃があった。標的となったのはプーチン大統領や富裕層が住むモスクワ随一の高級住宅街とされ、政治家の中には「第2次世界大戦以来、最も危険な攻撃」と表現する向きもあった。ロシアで撮影(2023年 ロイター/Maxim Shemetov)
[モスクワ/キーウ 30日 ロイター] - ロシアの首都モスクワで30日、これまでで最大級のドローン(無人機)攻撃があった。標的となったのはプーチン大統領や富裕層が住むモスクワ随一の高級住宅街とされ、政治家の中には「第2次世界大戦以来、最も危険な攻撃」と表現する向きもあった。
ロシア外務省は今回の攻撃を受け、最大限に「厳しい措置」を取る権利を留保していると言明。ウクライナがロシア領土内への攻撃を仕掛けないという北大西洋条約機構(NATO)当局者の保証は完全に偽善であることが証明された」と述べた。
ロシアが2022年2月にウクライナ侵攻を開始して以来、戦争の大部分はウクライナ国内で繰り広げられてきたが、地上戦がこう着状態にある中、前線から遠く離れた標的への空爆もこのところ激化している。
ロシア国防省は、ウクライナがモスクワにこれまでで最大級のドローン攻撃を仕掛けてきたが、8機全てを破壊したとしている。一方、25機以上が関与したとの情報もある。
ソビャーニン・モスクワ市長によると、2人が負傷し、複数の集合住宅の住民が一時避難した。大きな音が聞こえ、ガソリンの臭いがしたという。ドローンが撃墜され、煙が立ち込める様子を撮影した人もいた。
一方、ウクライナ大統領府のポドリャク顧問は30日、モスクワのドローン攻撃への直接的関与を否定した。ただ、ウクライナは今回の攻撃を楽しんで見ており、今後もこうした攻撃は増えると予想した。
その後、プーチン大統領は、今回のドローン攻撃は「民間人を標的にした」ものと非難。ウクライナは「ロシアとロシア国民を威嚇し、民間住宅を攻撃する道を選んだ。これは明らかにテロ活動の兆候だ」と述べた。
モスクワが直接攻撃を受けたのは、5月初めにクレムリンに対するドローン攻撃があって以来、今回で2回目。
米ホワイトハウスは30日、モスクワを狙ったドローン攻撃について、情報を収集中とした上で、米政府はロシア国内における攻撃を支持しないと表明した。
ロシアのマキシム・イワノフ議員は、第二次世界大戦中のナチス・ドイツの侵攻以来、モスクワに対する最も深刻な攻撃と指摘。ロシア国民は誰も「新しい現実」を避けることができないと述べた。
ロシア国営テレビはこの事件を冷静に報道した。
一方、ウクライナではこの日、ロシアによる攻撃で4人が死亡し、子供を含む34人が負傷した。
ウクライナ側は首都キーウ(キエフ)でイラン製ドローン20機以上を撃墜したと発表した。負傷者は11人だった。
ロシアは5月に17回、キーウを無人機やミサイルで攻撃。そのほとんどが夜間で、士気の低下が目的とみられる。
*動画を付けて再送します。