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ウガンダで死刑含む厳格な反LGBTQ法が成立、米国などが非難

ウガンダのムセベニ大統領が5月29日、世界で最も厳しい内容を含む「反LGBTQ(性的少数者)法」に署名し、発効した。2022年1月、同国中部ゴンバ県で撮影(2023年 ロイター/Abubaker Lubowa)
[カンパラ/ブリュッセル 29日 ロイター] - アフリカ東部ウガンダのムセベニ大統領が29日、世界で最も厳しい内容を含む「反LGBTQ(性的少数者)法」に署名し、同法が発効した。
複数回の法律違反や、エイズウイルス(HIV)感染者の同性と関係を結ぶ行為といった「悪質な同性愛」に対しては死刑が適用される。米国など西側諸国からは非難が相次ぎ、ウガンダに対する経済援助の制限につながる可能性も出ている。
同性同士で性的関係を持つこと自体、既にウガンダでは違法だが、今回の法律はさらに規制が強化されている。例えば死刑の規定に加え、同性愛を「促進」した場合は禁錮20年が科せられるという。
ムセベニ氏は以前から同性愛を「正常さからの逸脱」と評していた。ウガンダのある人権活動家は「大統領は本日、国家が後押しする形の同性愛嫌悪とトランスジェンダー嫌いを合法化させた」と批判した。
またウガンダの人権活動団体や活動家らは憲法裁判所に、反LGBTQ法の妥当性に異議を申し立てた。
バイデン米大統領はこの法律を人権に対する「悲劇的な侵害」と呼び、米政府はウガンダとのあらゆる関係において反LGBTQ法が与える影響を考慮していくと表明。「重大な人権侵害や汚職に関与した人物に対する制裁適用や米国への入国制限など、さらなる措置を検討している」と述べた。
欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は声明で「この法律は国際人権法に違反し、残虐・非人道的・屈辱的な刑罰の禁止や尊厳と無差別の順守を含むアフリカ人権憲章に基づくウガンダの義務にも反する」と指摘した。
「ウガンダ政府は全ての国民を保護し基本的権利を守る義務がある。それを怠れば国際社会との関係も損なわれる」と訴えた。