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ロシアの外貨決済、制裁や外銀への圧力で不安定に=中銀

5月26日、ロシア中央銀行は、国内で営業する外国銀行に対する圧力や制裁対象の拡大を背景に国内の外貨決済が不安定になっており、国内市場に断続的に不均衡が生じていると金融安定レビューで指摘した。写真はロシア中銀。2021年3月、モスクワで撮影(2023年 ロイター/Maxim Shemetov)
[モスクワ 26日 ロイター] - ロシア中央銀行は26日、国内で営業する外国銀行に対する圧力や制裁対象の拡大を背景に国内の外貨決済が不安定になっており、国内市場に断続的に不均衡が生じていると金融安定レビューで指摘した。
ロシアではウクライナ侵攻を受けた西側諸国の制裁でドルとユーロの利用が抑制され、中国人民元など対ロ制裁を導入していない「友好国」の通貨による決済が大幅に増加しているが、こうした増加は均一ではなく、外貨の流動性に一時的な不均衡や問題が生じているという。
中銀は国民に対し、外国銀行に多額の資金を預けるリスクも警告。特に外国銀行へのアクセスが制限された場合のリスクを指摘した。
中銀によると、2022年から23年第1・四半期にかけては、ロシア国民が国内銀行に保有する外貨預金が3兆1000億ルーブル(399億ドル)減少し、2兆6000億ルーブルが外国銀行の子会社に移された。
一方、非適格投資家が「非友好国」の発行体の証券購入を制限されていることについては、個人による外国のブローカーからの購入につながっていると指摘。
「ロシアの株式市場に対する個人投資家の信頼が低下した場合、長期的には外国の金融商品を利用した市民の貯蓄増加やロシアの銀行システムからの資金流出、企業の長期資金調達能力の低下といったリスクがある」としている。