ニュース速報

ワールド

EU、「グリーン」産業支援策を提案 米中に対抗

2023年02月02日(木)02時19分

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は1日、欧州が電気自動車(EV)などの「グリーン」産業の製造拠点とするために国家支援の水準を高めることを提案した。脱炭素関連産業で米国と競争し、中国への依存を減らすことが狙い。(2023年 ロイター/Yves Herman)

[ブリュッセル 1日 ロイター] - 欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は1日、欧州が電気自動車(EV)などの「グリーン」産業の製造拠点とするために国家支援の水準を高めることを提案した。脱炭素関連産業で米国と競争し、中国への依存を減らすことが狙い。

欧州委のフォンデアライエン委員長は、既存のEU資金の用途変更、グリーンプロジェクトのより迅速な承認、技能向上、貿易協定締結による重要な原材料供給確保の計画の一環として発表した。米インフレ抑制法を含めた米中の総額数十億ドル規模の脱炭素関連産業支援策に対抗する。

フォンデアライエン氏は記者会見で「主要国は適切にネットゼロ(温暖化ガス排出の実質ゼロ化)産業への投資を増やしている」とし、「われわれが見ているのは、世界的な競争の舞台があるということだ」と指摘。「今後何年かで経済の形、ネットゼロ経済、そしてその位置づけが決定されることをわれわれは知っている。世界で必要なネットゼロ産業の重要な一員でありたい」とも語った。

フォンデアライエン氏は、全てのEU加盟国がフランスやドイツと同規模の補助金を提供できるわけではないことを前提としながらも、再生可能エネルギーや脱炭素産業への投資に対する国家補助のルールを2025年末まで一時的に緩和することを提案した。

欧州委は2月9日─10日の首脳会議で、加盟国の支持獲得を望んでいる。ただ、当初はかなり否定的な反応も見られた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

マネーストックM3、10月は前年比1.0%増 伸び

ワールド

韓国情報機関の前トップ逮捕、戒厳令巡り 裁判所が逮

ビジネス

英中銀副総裁、ステーブルコイン規制緩和は金融安定性

ワールド

COP30、先住民デモ隊と警備隊が会場入り口で衝突
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ギザのピラミッドにあると言われていた「失われた入口」がついに発見!? 中には一体何が?
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「流石にそっくり」...マイケル・ジャクソンを「実の…
  • 8
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 9
    【銘柄】エヌビディアとの提携発表で株価が急騰...か…
  • 10
    【クイズ】韓国でGoogleマップが機能しない「意外な…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中