ニュース速報

ワールド

欧州、アフリカからの入国制限相次ぐ 南ア新変異株への対応強化

2021年11月27日(土)06時41分

11月26日、南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が見つかったことを受け、英国に続きスペインやイタリアなどがアフリカの一部からの入国制限を発表するなど欧州での対応強化が相次いでいる。写真は同日、ドイツの空港から病院に搬送される重症の新型コロナ感染症患者(2021年 ロイター/Fabian Bimmer)

[マドリード/ローマ/アテネ/アムステルダム/チューリヒ/ダブリン/イスタンブール 26日 ロイター] - 南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が見つかったことを受け、英国に続きスペインやイタリアなどがアフリカの一部からの入国制限を発表するなど欧州での対応強化が相次いでいる。

南アフリカの専門家らは25日、少数ながら新型コロナの新たな変異株を検出したと発表。これを受け、英国は26日1200GMT(日本時間午後9時)から、南アフリカと隣接するナミビア、ボツワナ、ジンバブエ、レソト、エスワティニの計6カ国からの航空機乗り入れを一時的に禁止し、これらの国から帰国した英国人に隔離を義務付けると発表した。

また、ベルギーのフランク・ファンデンブルック保健相は26日、南アの新変異株「B.1.1.529」による感染を国内で確認したと発表した。欧州域内で新たな変異株の感染が確認されたのは初めてとなる。

こうした中、スペインのダリアス保健相は26日、南アフリカとボツワナからの空路での入国を制限すると発表。他の国からの入国制限も検討するという。実施時期などの詳細は明かさなかったが、来週30日の閣議で承認されるとした。

イタリアのスペランツァ保健相も同日、過去14日間に南アフリカ、レソト、ボツワナ、マラウィ、ジンバブエ、モザンビーク、ナミビア、エスワティニの8カ国のいずれかに渡航した人の入国を禁止すると発表した。

またギリシャでは、南アフリカ、ボツワナ、ナミビア、レソト、ジンバブエ、モザンビーク、エスワティニ、ザンビア、マラウイからの不要不急の入国を制限する。渡航理由が必要と認められる場合には陰性証明書の提示が義務付けられる上、入国時に2度目の検査を受け、10日間の隔離が必要となる。

オランダは国内での感染拡大を受け、レストランやバー、大半の店舗の夜間営業を禁止するなどコロナ対策を強化すると発表した。28日から実施される。生活必需品以外を扱う店舗は午後5時から翌日午前5時まで閉鎖されるほか、中等教育学校でのマスク着用義務化、在宅勤務の推奨が含まれる。

また、アフリカ南部からの航空便の発着を26日正午から停止するとともに、入国後の隔離を義務付けた。アフリカ南部の全ての国が対象となる。

スイスも、南アフリカとその周辺地域からの直行便の運航を禁止した。ボツワナ、エスワティニ、レソト、モザンビーク、ナミビア、ジンバブエ、南アフリカからの全便が対象。加えて、香港、イスラエル、ベルギーなど他の国からの渡航も制限し、26日午後8時以降の入国者に陰性証明書の提示と10日間の隔離を義務付けた。

アイルランドは、アフリカ南部7カ国への不要不急の渡航を避けるよう勧告。入国者に対するホテルでの隔離措置の再導入を検討している。

トルコは26日夜から、ボツワナ、南アフリカ、モザンビーク、ナミビア、ジンバブエからの渡航者の入国を禁止する。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ休戦交渉難航、ハマス代表団がカイロ離れる 7日

ワールド

米、イスラエルへ弾薬供与停止 戦闘開始後初=報道

ワールド

アングル:中国地方都市、財政ひっ迫で住宅購入補助金

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 9

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中