ニュース速報

ワールド

仏EDF、中国の原発で調査開始 放射性ガスが蓄積

2021年06月15日(火)08時43分

 6月14日、仏電力公社(EDF)は1、同社が3割出資する中国広東省台山市の台山原子力発電所で放射性の希ガスが蓄積している問題について調査を開始した。ただ、現時点で発電所は安全に稼働しているという。パリ近郊で2013年7月撮影(2021年 ロイター/Benoit Tessier)

[シンガポール/パリ 14日 ロイター] - 仏電力公社(EDF)は14日、同社が3割出資する中国広東省台山市の台山原子力発電所で放射性の希ガスが蓄積している問題について調査を開始した。ただ、現時点で発電所は安全に稼働しているという。

同発電所に7割を出資する中国国有の原子力発電大手、中国広核集団(CGN)も、同発電所の稼働状況は安全だとしている。

CNNは14日、広東省台山にあるCGNの原発で放射能が漏れているとの報告を米政府が過去1週間にわたって調べていると伝えた。同原発を設計した仏フラマトムが「差し迫った放射能の脅威」を警告したことを受けたという。フラマトムの警告には、中国当局が原発閉鎖を回避するため台山発電所周辺の放射線検出許容限度を引き上げている、との訴えも含まれている。

EDFは、台山原発1号機の原子炉に影響を与えた希ガス(クリプトンとキセノン)の蓄積について、既知の事象だと説明。広報担当者は、燃料棒などの問題が要因となっている可能性があるとした上で、不活性ガスの値は中国で認可されている上限に達していないとし、原子炉の稼働停止を判断するのは時期尚早だと述べた。

クリプトンとキセノンは、他の物質と反応する可能性は低いが、放射性のため監視対象となっている。

EDFは、CGNと調査結果を確認するため会議を予定しているが日程はまだ決まっていない。

CGNも台山発電所の運転状況は安全規則を満たしており、周辺環境も安全だとしている。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「豪華装備」競う中国EVメーカー、西側と

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 4

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中