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IMFが新トラストを検討、中所得国を支援へ
国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事(写真)は13日、IMF加盟国がIMFの準備資産を貸し出す対象を拡大できるよう新たなトラストの創設を検討していることを明らかにした。5月撮影(2021年 ロイター/Pool via REUTERS)
[ワシントン 13日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は13日、IMF加盟国がIMFの準備資産を貸し出す対象を拡大できるよう新たなトラストの創設を検討していることを明らかにした。
中所得国も含め、気候変動の影響に脆弱な国に対し、準備資産を貸し出せる体制を整える。
専務理事によると、主要7カ国(G7)は、この計画を進めることを承認。中国と、今回の計画の恩恵を受けられる中所得国も、関心を示している。
検討中のトラストは、気候変動対策や医療システムの強化を支援する「回復力・持続可能性トラスト」。7月に開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を控えて、IMFが準備を進めていく。
専務理事は、英国で開催されたG7首脳会議後にロイターとのインタビューに応じ「承認を得たと感じている。他国にも打診する」とし「中国が参加に意欲を示している。ファンダメンタルズが健全で潤沢な準備資産を保有する他の新興国が参加する可能性もある」と述べた。
G7首脳会議は13日、IMFの準備資産である特別引出権(SDR)を6500億ドル拡大し、1000億ドル相当を脆弱な国の支援に充てる目標を支持。ただ、他国も参加する必要があると主張していた。
IMFの現行の「貧困削減・成長トラスト」でも、加盟国がIMFの準備資産を共有することが可能だが、新型コロナの流行や深刻な不況で打撃を受けている島しょ国などの中所得国は対象外となっている。
専務理事は「今回の措置は、道徳上、不可欠であり、経済的にも必要だ」とし、先進国と途上国の格差が今後さらに広がれば、社会不安につながる可能性があると指摘した。