ニュース速報

ワールド

米、核合意巡りイランと7日も間接協議 「制裁解除の用意も」

2021年04月08日(木)10時40分

 イラン核合意の立て直しに向け、主要国と欧州連合(EU)の外交官は4月7日、米国の制裁解除やイランの核開発制限をどう進めるかについて両国と個別に協議した。米政府当局者が明らかにした。写真は米国務省のプライス報道官、3月にワシントンで代表撮影(2021年 ロイター/Carolyn Kaster)

[ウィーン 7日 ロイター] - イラン核合意の立て直しに向け、主要国と欧州連合(EU)の外交官は7日、米国の制裁解除やイランの核開発制限をどう進めるかについて両国と個別に協議した。米政府当局者が明らかにした。

対立する米国とイランは6日からウィーンで欧州などが仲介役となり、間接協議を開始している。

2015年の核合意を巡ってはトランプ前米政権が離脱し、イランに対する制裁を再開したことから、イランが履行停止に動いている。

当事国のイラン、英国、中国、フランス、ドイツ、ロシアは6日、米国が解除できる制裁措置とイランが満たすべき核合意の履行内容に関するリストをすり合わせるため、2つの専門家グループを形成することで合意した。

外交筋によると、これらの作業グループの会合が7日、EUを議長として開催され、6月18日のイラン大統領選までに成果が得られるかどうか数週間中にも判断できるとの見方を示した。

米国はグループに含まれていないが、米当局者によると、ウィーンで米国の代表が協議について説明を受けた。

米国務省のプライス報道官はワシントンで記者団に対し「ウィーンにいる米国代表が欧州諸国、ロシア、中国と協議を行い、これらの国がイラン代表と会談した」と説明した。

協議が間接的であることや、米・イラン間の不信感、問題の複雑さを踏まえると、難しい話し合いになるとの認識も示した。

その上で「米国は包括的共同行動計画(JCPOA)に復帰するため、JCPOAと一致しない制裁を解除することを含め、必要な措置を講じる用意がある。詳細については説明する立場にない」と述べ、部分的な制裁解除の可能性を示唆した。JCPOAは核合意の正式名称。

*米当局者のコメントなどを追加しました

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「豪華装備」競う中国EVメーカー、西側と

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 4

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 7

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中