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ロシア、米に新たなミサイル検証制度提案 INF条約失効で代案
ロシア大統領府(クレムリン)は26日、失効した中距離核戦力全廃条約(INF条約)に代わる新たな制度案を発表した。モスクワ川から見たクレムリン、5月撮影。(2020年 ロイター/Maxim Shemetov)
[モスクワ 26日 ロイター] - ロシア大統領府(クレムリン)は26日、失効した中距離核戦力全廃条約(INF条約)に代わる新たな制度案を発表した。ロシアと米国が特定の陸上配備型ミサイルを欧州に配備しないことで合意することや、信頼構築に向けた相互検証制度の導入を提案した。
米国は昨年、1987年に米国とソ連(当時)が締結したINF条約にロシアが違反しているとして、同条約の破棄を通告、その半年後に失効した。ロシアは条約違反はないと主張していた。
以来、核兵器を管理する国際的枠組みは試練が続いている。新戦略兵器削減条約(新START)も2021年2月の期限切れを前に米ロの交渉が続いている。
クレムリンは26日、事態がエスカレートするのを食い止める策を発表。欧州の米陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」をロシアがチェックできるようにし、米国はロシアのカリーニングラードの巡航ミサイル「9M729」をチェックできるようにすることなどを盛り込んだ。
クレムリンはウェブサイトに掲載した声明で「全関係当事者に、今ある懸念を払拭する相互検証措置のための具体的選択肢の検討を提案する」と表明した。
INF条約では、米ロ両国が通告後短時間で核攻撃する能力を抑えるため、射程500─5500キロメートルの地上発射型ミサイルを禁止していた。