ニュース速報

ワールド

ロシア、米に新たなミサイル検証制度提案 INF条約失効で代案

2020年10月26日(月)20時06分

ロシア大統領府(クレムリン)は26日、失効した中距離核戦力全廃条約(INF条約)に代わる新たな制度案を発表した。モスクワ川から見たクレムリン、5月撮影。(2020年 ロイター/Maxim Shemetov)

[モスクワ 26日 ロイター] - ロシア大統領府(クレムリン)は26日、失効した中距離核戦力全廃条約(INF条約)に代わる新たな制度案を発表した。ロシアと米国が特定の陸上配備型ミサイルを欧州に配備しないことで合意することや、信頼構築に向けた相互検証制度の導入を提案した。

米国は昨年、1987年に米国とソ連(当時)が締結したINF条約にロシアが違反しているとして、同条約の破棄を通告、その半年後に失効した。ロシアは条約違反はないと主張していた。

以来、核兵器を管理する国際的枠組みは試練が続いている。新戦略兵器削減条約(新START)も2021年2月の期限切れを前に米ロの交渉が続いている。

クレムリンは26日、事態がエスカレートするのを食い止める策を発表。欧州の米陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」をロシアがチェックできるようにし、米国はロシアのカリーニングラードの巡航ミサイル「9M729」をチェックできるようにすることなどを盛り込んだ。

クレムリンはウェブサイトに掲載した声明で「全関係当事者に、今ある懸念を払拭する相互検証措置のための具体的選択肢の検討を提案する」と表明した。

INF条約では、米ロ両国が通告後短時間で核攻撃する能力を抑えるため、射程500─5500キロメートルの地上発射型ミサイルを禁止していた。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意

ワールド

国際刑事裁の決定、イスラエルの行動に影響せず=ネタ

ワールド

ロシア中銀、金利16%に据え置き インフレ率は年内
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中