ニュース速報

ワールド

EU、新型コロナ危険度を最高レベルに指定せず 4段階中3

2020年06月04日(木)01時19分

欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、新型コロナウイルス「SARS─CoV2」について、4段階のハザードリストの「レベル3」に指定し、最もリスクが高い部類には分類しなかった。パリで2日撮影(2019年 ロイター/CHRISTIAN HARTMANN)

[ブリュッセル 3日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、新型コロナウイルス「SARS─CoV2」について、4段階のハザードリストの「レベル3」に指定し、最もリスクが高い部類には分類しなかった。

欧州委の判断は経済活動の再開に向け企業が負担するコストや労働者の安全性などを左右するため、広範な経済、公衆衛生上の影響が広がる可能性がある。

EUのハザードリストによると、危険度が最も高いレベル4の生体物質は感染の「高いリスク」があり、予防法も治療法も存在しないものと定義。レベル3は「人間に重大な疾病をもたらし、労働者を深刻な危険にさらし、市中で感染が広がるリスクがあるが、通常は効果的な予防法、もしくは治療法が存在する」と定義されている。

ただ、現時点では新型ウイルスが引き起こす感染症「COVID-19」に対する予防法も治療法も確立しておらず、これまでに感染により世界中で約38万人が死亡した。

欧州委の報道官は、危険度の判定には複数の基準が利用され、予防法と治療法の有無だけが唯一の基準とされるわけではないと説明。欧州委は研究者のほか世界保健機関(WHO)と協議した上で判定を行い、新型ウイルスを巡る最新のデータに基づき、EU加盟27カ国の有識者からも支持を得ていると述べた。

欧州委の判断は直ちに執行可能だが、欧州議会が月内に予想される採決で否決する可能性もある。

欧州疾病予防管理センター(ECDC)は、欧州における新型ウイルス感染拡大がピークを過ぎたとの認識を表明。ただ感染はまだ続いており、今秋にも感染拡大の第2波が発生する恐れが指摘されている。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インドネシア、対米関税「ほぼゼロ」提案 貿易協議で

ビジネス

訂正-日経平均は小反落で寄り付く、米市場休場で手控

ワールド

ルラ大統領、再選へ立候補示唆 現職史上最高齢で健康

ワールド

米テキサス洪水死者78人に、子ども28人犠牲 トラ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗」...意図的? 現場写真が「賢い」と話題に
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    コンプレックスだった「鼻」の整形手術を受けた女性…
  • 7
    「シベリアのイエス」に懲役12年の刑...辺境地帯で集…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    ギネスが大流行? エールとラガーの格差って? 知…
  • 10
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 6
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 7
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 10
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中