ニュース速報

ワールド

豪統計、第1四半期のマイナス成長回避示唆 経常黒字は過去最高

2020年06月02日(火)13時23分

豪連邦統計局が発表した第1・四半期の経常収支は、過去最高となる84億豪ドル(57億米ドル)の黒字となった。シドニーで5月撮影(2020年 ロイター/Loren Elliott)

[シドニー 2日 ロイター] - 豪連邦統計局が発表した第1・四半期の経常収支は、過去最高となる84億豪ドル(57億米ドル)の黒字となった。輸出価格が堅調となる一方、輸入が減少し、成長を押し上げた。

黒字幅は予想の63億豪ドルを上回った。

2日に公表されたその他の統計によると、政府支出も第1・四半期の成長を押し上げたほか、企業は多くの予想を上回る売上高と利益を発表した。

これらのデータは第1・四半期に懸念されていたようなマイナス成長に陥らなかった可能性を示唆。ただ、ロックダウン(都市封鎖)の影響を受ける今四半期の急激なマイナス成長は確実視されている。

第1・四半期の国内総生産(GDP)統計は3日に公表される。これまでは2011年初め以来のマイナス成長となる0.3%減が見込まれていたが、アップサイドリスクが出てきた形だ。

RBCキャピタル・マーケッツのチーフエコノミスト、スーリン・オン氏は第1・四半期GDPについて「小幅なプラスになる可能性を排除できない」と指摘。その上で「今四半期に見込まれる経済活動の急激な落ち込みとそれに伴う労働市場への影響は経済全般に深刻なショックを与え、長期的な影響をもたらす見通しだ」と述べた。

統計局が2日公表したデータによると、政府支出が第1・四半期に大幅増となり、GDPを約0.3%ポイント押し上げた公算が大きい。

各企業も第1・四半期に売上高が堅調に伸びた。これは3月半ばのロックダウン前に生活必需品のパニック買いが起きたことが一因だ。

中国からの堅調な需要や供給制約が、鉄鉱石や金を中心とする主要な資源関連輸出品の価格を高水準で維持。この傾向は4月と5月も続いている。

輸出量は悪天候で小幅に減少したものの、輸入がはるかに減少したことから成長をさらに0.5%ポイント押し上げる。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

金総書記、プーチン氏に新年メッセージ 朝ロ同盟を称

ワールド

タイとカンボジアが停戦で合意、72時間 紛争再燃に

ワールド

アングル:求人詐欺で戦場へ、ロシアの戦争に駆り出さ

ワールド

ロシアがキーウを大規模攻撃=ウクライナ当局
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 9
    【クイズ】世界で最も1人当たりの「ワイン消費量」が…
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中