ニュース速報

ワールド

新型ウイルス、日本への懸念の声なかった=G20で麻生財務相

2020年02月23日(日)10時58分

 2月22日、リヤドで開幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出出席した麻生太郎財務相は初日の討議終了後の会見で、新型コロナウイルスの感染拡大によるリスクについて多くの国から言及があったが、日本への懸念の声は特になかったとした。写真は2019年10月、ワシントンで開かれたG20で撮影(2020年 ロイター/Mike Theiler)

[リヤド 22日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がサウジアラビアの首都リヤドで22日開幕した。麻生太郎財務相は初日の討議終了後の会見で、新型コロナウイルスの感染拡大によるリスクについて多くの国から言及があったが、日本への懸念の声は特になかったとした。同相は会議の場で財政余地のある国には果敢な措置への期待を表明したことを明らかにした。

初日は世界経済に関する議論が交わされた。同相は会議において「我々が直面している世界経済の下振れリスクをともに乗り越えていくためには、財政余力の大きな国に果敢な政策対応を期待したい、と申し上げた」と述べた。

同相によると会議では「ほぼ全員が新型コロナウイルスについて発言をしていた。しかし情報の絶対量があまりにも少ないのでよくわからないということがあるため、しっかり連携を取っていくことで認識を共有した」ことを明らかにした。

日本においてはすでに10─12月期成長率がマイナスとなっており、国内ではこの先も新型ウィルスの影響が顕在化して景気後退リスクへの懸念も浮上する中、同相は「今の段階で日本の経済リスクが急に高まっているとは考えていない」との認識を示した。

各国からも日本に対する懸念や対策に対する質問はなかったとした。

安全資産とされていた円の代わりにドルが買われていることについては、「為替については各国大臣は発言しないことになっている」として回答しなかった。

新型ウィルスによる経済リスクに財政あるいは金融政策でどのように対応しうるかに関連し、同相は各国により対応は異なるとしつつ「金融による影響の幅がかなり少なくなってきているのではないか」との認識を示した。そのうえで「財政出動ができる国、できない国がある。日本のようにいろいろ対応やってきている国がそれほどあるわけではない」として財政余地のある国への対応策への期待をにじませた。

(木原麗花 日本語記事作成 中川泉 編集:石田仁志)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意

ワールド

国際刑事裁の決定、イスラエルの行動に影響せず=ネタ

ワールド

ロシア中銀、金利16%に据え置き インフレ率は年内
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中