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空自のF2後継機、英国が共同開発の有力候補に浮上=関係者

2019年12月13日(金)12時42分

12月13日、航空自衛隊の次期戦闘機計画を巡り、英国が共同開発の有力候補に浮上していることがわかった。写真は2012年11月、三沢基地を離陸する航空自衛隊のF2戦闘機。統合幕僚監部提供(2019年 ロイター)

Tim Kelly

[東京 13日 ロイター] - 航空自衛隊の次期戦闘機計画を巡り、英国が共同開発の有力候補に浮上していることがわかった。自国軍向けの開発計画をすでに発表している英国が、日本と協力しようと秋波を送っており、米国以外とも安全保障面の関係を強化したい日本は関心を強めている。

<英国「テンペスト」計画>

日本は、退役が近づく「F2」戦闘機の後継機を2030年代から配備したい考え。複数の関係者によると、日本は米国以外との共同開発を選択肢として模索している。

約5万人の兵士と空母打撃群が駐留する米国との同盟が、日本の防衛政策の柱であることに変わりない。しかし、中国が軍事力を急速に高める中、日本は他の友好国とも軍事協力を強めようとしており、英国はその筆頭に位置する。

一方、空軍の次期戦闘機「テンペスト」を計画する英国は、コスト面で現実的な開発計画を取りまとめるため、2020年末をめどに、負担を共有できるパートナー国を探している。

関係者によると、英国は日本に対し、戦闘機の中身であるシステムや電子機器の共同開発を提案。開発した技術の知的財産権を活用するのに制限を設けず、機体やエンジンも日本が自由に設計できる。

「英国の提案に対する関心が高まっている」と、日本側の関係者は話す。

関係者によると、英空軍で装備調達を担当するダニエル・ストール准将は今年後半だけで3回来日。11月中旬には、千葉県幕張で開かれた日本初の本格的な防衛装備展示会「DSEI」に参加した。

討論会に登壇したストール准将は「自衛隊と英軍は多くの類似点があるが、中でも大きいのは、米軍との相互運用性を完全に確保する必要があることだ」と指摘。英国と組めば、日米英の3カ国が求める戦闘能力を作ることができると訴えた。

テンペストの開発を主導するBAEシステムズも、数週間おきに日英を行き来しストール准将の動きを補佐している。BAEはDSEIにテンペストの模型を展示した。

<米国勢も名乗り>

自国の防衛を米国に依存する日本は、兵器の多くも米国から調達してきた。F2後継機で英国と協力すれば、主要装備の開発で日本が米国以外と手を組む初の事例となる。

日本が30年前に米国とF2を共同開発した際は、仕事量の4割を米国に保証することとなった。米国は戦闘能力を左右する基本ソフトウエア(ソースコード)も日本に供与しなかった。

F2後継機の開発には各国が強い関心を寄せており、米国はロッキード・マーチンとボーイングが、英国はBAEが防衛省に提案を出した。米ノースロップ・グラマンも参画に意欲を示している。

(編集:久保信博)

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