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英総選挙、一部調査で保守党リード縮小 過半数は予断許さず

2019年12月09日(月)10時21分

英総選挙の投票日を12日に控え、世論調査ではジョンソン首相(写真)率いる与党・保守党がリードしているが、一部の調査結果によると、保守党の過半数獲得は予断を許さない状況だ。英デトリングで6日代表撮影(2019年 ロイター)

[ロンドン 7日 ロイター] - 英総選挙の投票日を12日に控え、世論調査ではジョンソン首相率いる与党・保守党がリードしているが、一部の調査結果によると、保守党の過半数獲得は予断を許さない状況だ。

7日公表の4件の世論調査では、保守党の支持率は最大野党の労働党を8─15ポイント上回った。

8ポイントのリードでは、保守党による下院の過半数獲得は不確実な状況だ。有権者が欧州連合(EU)離脱を巡り戦略的に投票した場合、不確実性は一段と高まる。

調査会社サバンタ・コムレスによると、保守党のリードは前回4日の調査(10ポイント)から8ポイントに縮小した。同社の政治担当責任者クリス・ホプキンス氏は「差は極めて小さい。保守党のリードが1、2ポイント上昇するか低下するかで、同党がかなりの過半数を獲得するか、もしくはハングパーラメント(宙づり議会)になるか分かれる可能性がある」と述べた。

2017年の前回総選挙で各種世論調査は、労働党への支持を実際より低く予測。当時のメイ首相は過半数を失い、EU離脱は混迷が深まった。離脱の是非を巡る2016年の国民投票でも、世論調査は離脱派の勝利を予測できなかった。

しかし、17年総選挙の前にユーガブが公表した調査結果では、各党の獲得議席が比較的正確に予測されていた。MRP方式と呼ばれる調査で、選挙区の93%で結果を正確に予測した。

サンデー・タイムズによると、50万件のオンラインインタビューに基づき、MRP方式を採用したデータプラクシスの調査では、保守党の獲得議席が他党の合計を38議席上回ると予測されている。2週間前の調査では、48議席差になるとみられていた。

データプラクシスのポール・ヒルダー氏は「選挙戦終盤でこれほど多くの有権者が投票先を決めていない状況は初めて見た」とし、「最大80─90の選挙区で勝敗の行方が分からない。保守党は予想以上の圧勝を収める可能性があるが、一方でハングパーラメントもあり得る」と述べた。

ユーガブは11月の調査で、保守党の議席が他党の合計を68議席上回ると予測した。同社は10日に最新の調査結果を公表する。

EU離脱を巡る2回目の国民投票実施を求める残留派グループ「ベスト・フォー・ブリテン」の委託で実施されたMRP方式の調査によると、保守党は下院定数650のうち345議席を獲得し、他党の合計を40議席上回る見通し。ただこの予測は、有権者が特定の政党の敗北を狙って通常の支持政党と異なる候補に投票する「戦略的投票」を行わないことを前提にしている。

同グループは、36の激戦区で有権者4万1000人が戦略的投票を行えば、保守党は過半数を割り込む可能性があると分析している。

同グループのトップ、ナオミ・スミス氏は「この選挙は予断を許さない状況だ」とし、「多くの残留派有権者が、保守党に勝利する可能性の最も高い候補に投票すれば、下院はハングパーラメントとなり、離脱を最終決定する国民投票が行われることになる」と語った。

ロイター
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