ニュース速報

ワールド

香港司法長官が英国で「暴徒」に襲われる、中国が非難 抗議デモ続く

2019年11月16日(土)02時10分

 11月15日、香港政府は、ロンドンを訪れていた香港のテレサ・チェン司法長官が「暴徒」に襲われたと非難した。写真は香港で撮影(2019年 ロイター/ADNAN ABIDI)

[香港/シンガポール 15日 ロイター] - 香港政府は15日、ロンドンを訪れていた香港のテレサ・チェン司法長官が「暴徒」に襲われたと非難した。

同長官は紛争解決や取引の場としての香港をアピールするため、ロンドンを訪れていたが、抗議する集団から「殺人者」「恥を知れ」と罵倒され、香港政府の声明によると「身体に深刻な危害」を受けた。これ以上の詳細は明らかにしていないが、ビデオ映像では同長官が地面に倒れる姿が映っている。

香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、同長官への攻撃を強く非難するとの声明を発表。

在英国の中国大使館は、チェン司法長官が地面に押し倒され、手を負傷したと発表。「数十人の反中や独立支持の活動家に囲まれ攻撃された」とし、「暴力的で法を守らない加害者」が暴力行為を国外にも広げていると非難した。

英警察によると、チェン司法長官は腕に怪我をしており、病院に搬送された。現時点ではこの件に関連して逮捕者は出ていないとしている。

中国は英国に対し正式な苦情申し立てを行い、当局が加害者を処罰するよう求めた。

中国外務省の香港出先機関も、在香港の英総領事館に強く抗議したことを明らかにした。

香港では15日も抗議活動が続いている。学校が休校となっているほか、一部の主要道路は封鎖。大学には学生がバリケードを築いて立てこもっている。

封鎖された主要幹線道路は一時、一部が開通したが、夕方のラッシュアワーに再度封鎖された。抗議デモは主導者不在の中進められているが、デモ参加者の間に分断が出ている可能性がある。

多くのデモ参加者は夜遅くまでに現場を離れたが、道路封鎖は続いている。

前日には、頭部にブロックが当たったとみられる70歳の街路清掃員が死亡。警察側は、マスクをしたデモ参加者が投げつけた物が当たったようだと説明。[nL4N27U1EG]香港政府の張建宗・政務司司長は記者会見で「香港が安全な都市だともはや言うことはできない」と述べた。

香港島と九龍地区を結ぶ香港海底トンネルは、デモ隊がバリケードなどを使って封鎖しており、深刻な交通渋滞が発生している。政府は企業に対し出勤時間を柔軟に変更するよう改めて求めている。

中心部では昼食時間帯に抗議活動が行われ、また東部の太古地区では禁止されているフェイスマスクを着けた会社員らが「香港を解放せよ。我々の時代の革命だ」と叫んだ。

31歳の女性は「政府は暴徒を非難したが、なぜこんなに多くの暴徒がいるのか、なぜ一般市民も彼らを支持しているのか考えもしない」と語った。

ビジネス街のセントラル(中環)地区近くにある中国人民解放軍の駐屯地を映した13日の映像では、10以上の部隊が、傘を持った偽のデモ隊に対する暴動鎮圧訓練を行っているような姿が確認できる。

香港の混迷が深まる中、ドイツ外務省は15日、ドイツ人2人が香港で身柄を拘束されたと明らかにした。

香港警察は違法集会参加などの容疑で外国籍2人を逮捕したと発表。逮捕した人物の年齢は22歳と23歳としている。

ドイツのビルト紙はこれに先立ち、香港の嶺南大学に交換留学生として在籍している学生2人の身柄が拘束されたと報じていた。大学からこの件に関するコメントは得られていない。

*情報を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

ニュース速報

ワールド

米中が「第1段階」通商合意、関税発動猶予 米農産物

ワールド

米中の「第2段階」通商合意、複数回に分割も=米財務

ワールド

北朝鮮、衛星発射場で再び実験 米に対抗し「新兵器開

ワールド

特別リポート:ロイターの香港報道を制限、リフィニテ

MAGAZINE

特集:進撃のYahoo!

2019-12・17号(12/10発売)

メディアから記事を集めて配信する「巨人」プラットフォーマーとニュースの未来

人気ランキング

  • 1

    カイロ・レンは嘘をついていた?『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』新キャラと予想

  • 2

    共産党国家に捧げるジョーク:変装した習近平に1人の老人が言ったこと...

  • 3

    サルの細胞を持つブタが中国で誕生し、数日間、生存していたことが明らかに

  • 4

    キャッシュレス化が進んだ韓国、その狙いは何だった…

  • 5

    意識がある? 培養された「ミニ脳」はすでに倫理の…

  • 6

    中国の探査機が月に持ち込んだ植物の種、ハエの卵...…

  • 7

    習近平を国賓として招聘すべきではない――尖閣諸島問題

  • 8

    殺害した女性の「脳みそどんぶり」を食べた男を逮捕

  • 9

    離脱強硬派ジョンソン勝利でイギリス「連合王国」解…

  • 10

    英総選挙、どっちつかずより「とっとと離脱」を選ん…

  • 1

    熱帯魚ベタの「虐待映像」を公開、動物愛護団体がボイコット呼び掛ける

  • 2

    インフルエンザ予防の王道、マスクに実は効果なし?

  • 3

    食肉市場に出回るペット 出荷前には無理やり泥水を流し込み...

  • 4

    殺害した女性の「脳みそどんぶり」を食べた男を逮捕

  • 5

    共産党国家に捧げるジョーク:変装した習近平に1人の…

  • 6

    中国で焚書令、文化大革命の再来か

  • 7

    カイロ・レンは嘘をついていた?『スター・ウォーズ…

  • 8

    東京五輪、マラソンスイミングも会場変更して! お…

  • 9

    トランプ、WTOの紛争処理機能を止める 委員たったの…

  • 10

    キャッシュレス化が進んだ韓国、その狙いは何だった…

  • 1

    食肉市場に出回るペット 出荷前には無理やり泥水を流し込み...

  • 2

    「愚かな決定」「偏狭なミス」米専門家らが韓国批判の大合唱

  • 3

    「日本の空軍力に追いつけない」アメリカとの亀裂で韓国から悲鳴が

  • 4

    元「KARA」のク・ハラ死去でリベンジポルノ疑惑の元…

  • 5

    「韓国は腹立ちまぎれに自害した」アメリカから見たG…

  • 6

    文在寅の経済政策失敗で格差拡大 韓国「泥スプーン」…

  • 7

    殺害した女性の「脳みそどんぶり」を食べた男を逮捕

  • 8

    GSOMIA失効と韓国の「右往左往」

  • 9

    GSOMIA継続しても日韓早くも軋轢 韓国「日本謝罪」発…

  • 10

    日米から孤立する文在寅に中国が突き付ける「脅迫状」

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
「STAR WARS」ポスタープレゼント
ニューズウィーク試写会ご招待
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!