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メルケル独首相、ディーゼル車走行禁止回避に向けた法案を約束
10月21日、ドイツのメルケル首相(写真)は、大気汚染の改善を目的とするディーゼル車走行禁止を回避するため、法改正を行うと公約した。自身が率いるキリスト教民主同盟(CDU)が与党の座の維持を狙う西部ヘッセン州議会選を前に有権者にアピールした。ベルリンで撮影(2018年 ロイター/Hannibal Hanschke)
[ベルリン 21日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は21日、大気汚染の改善を目的とするディーゼル車走行禁止を回避するため、法改正を行うと公約した。自身が率いるキリスト教民主同盟(CDU)が与党の座の維持を狙う西部ヘッセン州議会選を前に有権者にアピールした。
メルケル氏は記者会見で、ヘッセン州の最大都市であるフランクフルトなど、有害物質である窒素酸化物(NOx)の大気中の量が規制値を若干しか上回っていない都市でディーゼル車の乗り入れを禁止することは不釣り合いな措置だとの見方を示した。
CDUの姉妹政党である保守与党のキリスト教社会同盟(CSU)は14日のバイエルン州議会選で大敗を喫しており、28日のヘッセン州議会選でCDUが緑の党に議席を奪われる結果となれば、首相の求心力の致命的な低下につながる可能性がある。
ドイツでは、ディーゼル車による排出が原因でNOxの大気中の量が規制値を超えている都市が多数あるが、メルケル政権は世論の風当たりが強い走行禁止措置を回避したい構え。
メルケル氏は「走行禁止は汚染水準が規制値を小幅に上回る場合は不釣り合いな措置だ」と指摘。「われわれは法改正を望んでいる。これはフランクフルトのような都市にとっては非常に重要な情報だ」とした。
メルケル氏はまた、大気汚染が深刻な都市で車両の改修が必要となる場合について、「われわれはディーゼル車所有者の見方で、所有者が費用負担を強いられるべきではないとの明確な立場だ」と強調。「自動車産業が信頼を大きく損ねてきたため、責任を負う必要があると考える」と述べた。