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メルケル首相「信頼回復に努める」、バイエルン州議会選受け
10月15日、14日に投開票された独バイエルン州議会選で、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の姉妹政党である保守与党のキリスト教社会同盟(CSU)が大敗したことを受けて、同首相は、信頼回復に努めると表明した。CDU党本部に到着する同首相。ベルリンで撮影(2018年 ロイター/FABRIZIO BENSCH)
[ベルリン 15日 ロイター] - 14日に投開票された独バイエルン州議会選で、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の姉妹政党である保守与党のキリスト教社会同盟(CSU)が大敗したことを受けて、同首相は15日、信頼回復に努めると表明した。
同議会選では、CSUが約70年ぶりの大敗を喫したほか、CDU・CSUと国政で大連立を組む中道左派・社会民主党(SPD)も得票率が半減した。
メルケル首相は、業界団体BGAのイベントで「教訓として言えるのは、首相として私が信頼回復に努めなければならないということだ。可能な限り精力的に信頼回復に努める」と発言した。
CSUのゼーホーファー党首は、メルケル首相の移民・難民受け入れ政策を批判していたが、同議会選ではこれが裏目に出た形で、極右の「ドイツのための選択肢(AfD)」や緑の党に票が流れた。
ゼーホーファー党首は記者団に「連立政権が引き続き安定して仕事ができるよう本分を尽くす」と表明した。
メルケル首相は、バイエルン州の経済が良好であるにもかかわらず、CSUが単独過半数を失ったと指摘。「これは、信頼が不足していれば、たとえ経済情勢が良好で完全雇用がほぼ実現していても、それだけでは不十分だということを示している」との認識を示した。
AfDの幹部は会見で「非常に喜んでいる。バイエルン州議会選の目的は、ベルリンに激震をもたらすことだった」と述べた。
SPDのナーレス党首は、同党の敗因は国政レベルのCDUとCSUの内紛にあると指摘。「我々の協力体制全体を変える必要があるのは明らかだ」と主張した。
世論調査によると、2週間後に行われるヘッセン州議会選挙でも、AfDと緑の党に票が流れると予想されている。
同州ではCDUと緑の党が連立を組んでいるが、CDUの得票率が低下すれば、メルケル首相の求心力がさらに低下することは、ほぼ確実とみられている。
大衆紙ビルトは「もしCDUがヘッセン州で与党の座を失えば、おそらくCDU内でメルケル首相の処遇に関する協議が始まるだろう」と伝えている。