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米トランプ政権、自動車燃費基準の撤回提案 19州が提訴へ

2018年08月03日(金)01時49分

8月2日、米トランプ政権はオバマ前政権下で定められた自動車燃費基準を緩和することを提案した。カリフォルニア州などが独自に導入した厳しい排ガス基準を無効にする動きで、各州との法廷闘争に発展する見込みだ。写真は2015年4月、米カリフォルニア州で(2018年 ロイター/Lucy Nicholson)

[2日 ロイター] - 米トランプ政権は2日、オバマ前政権下で定められた自動車燃費基準を緩和することを提案した。カリフォルニア州などが独自に導入した厳しい排ガス基準を無効にする動きで、各州との法廷闘争に発展する見込みだ。

提案の発表を受け、カリフォルニア州や首都ワシントン(コロンビア行政区)など19州は、この提案を阻止するために提訴する考えを表明。各州を代表するマサチューセッツ州のヒーリー司法長官は「この無謀で違法な計画にブレーキをかけるため、訴訟を準備している」と述べた。

運輸省と環境保護局(EPA)の提案では、2020─26年までの燃費基準を凍結するほか、電気自動車(EV)の販売義務を大幅に減らすことが盛り込まれた。

政権は、燃費基準凍結で石油消費は2030年代までに日量約50万増えると主張。また、自動車価格を抑え、より安全な新車の購入を促すことで最大で年間1000人の交通事故死が防げるとしている。

環境団体はこうした主張を非難し、この提案がガソリン価格上昇につながるほか、気候変動の原因である温室効果ガス削減に向けた取り組みを逆行させると反対している。

自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)は声明で、あらゆる関係者と協力したいとし、引き続き燃費を向上させ、電気自動車の強化を進める考えを示した。

ロイター
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