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OPEC、総会控え増産合意が不透明に イランが反対
6月21日、石油輸出国機構(OPEC)加盟国は、ロシアなどの非加盟国も交えて非公式の閣僚会合を開催。サウジアラビアが今後の深刻な原油供給不足を理由に増産の必要性を訴える一方、イランが反対姿勢を示し、増産で合意できるか不透明な状況となった。写真はOPECのロゴ。ウィーンで19日撮影(2018年 ロイター/Leonhard Foeger)
[ウィーン 21日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)加盟国は21日、ロシアなどの非加盟国も交えて非公式の閣僚会合を開催した。サウジアラビアが今後の深刻な原油供給不足を理由に増産の必要性を訴える一方、イランが反対姿勢を示し、増産で合意できるか不透明な状況となった。
サウジアラビアとロシアのエネルギー相は、日量約100万バレルの増産で合意しつつあるとしているが、イランが反対している。
OPECは22日の定例総会で増産について決定する。米国や中国、インドなどの消費大国は、原油高に歯止めをかけるため増産を要求している。
イランはこれまで増産に反対している。19日には、OPECが増産で合意できる可能性は低いとし、トランプ米大統領による増産要求を拒否すべきだと主張した。
米国は5月にイランに追加制裁を課した。市場関係者は、イランの輸出は2018年末までに3分の1減少すると見込んでいる。このことは、サウジアラビアとは異なり、OPECの増産でイランが得るものはほとんどないことを示している。
イランのザンギャネ石油相はこの日、OPEC加盟国と非加盟国の非公式閣僚会合を途中退席。その際記者団に対して「合意に達するとは思わない」と語った。
イランのメディアが関係筋の話として伝えたところによると、ザンギャネ氏は、原油禁輸の問題を増産を受け入れない理由として挙げた。
イランは通常、OPEC加盟国と非加盟国の非公式閣僚会合には参加していない。同会合は、ロシア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーン、クウェート、アルジェリア、ベネズエラで構成されている。会合はザンギャネ氏が退席してからも2時間続いた。
サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、日量100万バレルの増産で大多数の支持が得られたと述べた。増産は段階的に行い、各国で案分する形になるという。
ファリハ氏は、何もしなければ2018年下期に最大日量180万バレルの供給不足に直面するとし、消費者の懸念に対応することがOPECの責任だと述べた。