ニュース速報

ワールド

メキシコ、貿易摩擦悪化なら米国産トウモロコシや大豆に関税も=当局者

2018年06月15日(金)09時51分

 6月14日、メキシコ政府は、トランプ米政権が新たな関税を導入し貿易摩擦が深刻化する場合、米国から輸入するトウモロコシや大豆に関税を課す可能性があり、それに伴う国内への悪影響を軽減する措置も検討している。写真アメリカから輸入されたトウモロコシを運ぶ作業員。2月にメキシコのトゥスパンで撮影(2018年 ロイター/Henry Romero)

[メキシコ市 14日 ロイター] - メキシコ政府は、トランプ米政権が新たな関税を導入し貿易摩擦が深刻化する場合、米国から輸入するトウモロコシや大豆に関税を課す可能性があり、それに伴う国内への悪影響を軽減する措置も検討している。複数のメキシコ政府当局者が今週、ロイターに語った。

メキシコ政府は今月初め、米国が同国に対し鉄鋼・アルミニウム輸入関税を導入すると、直ちに報復措置を発表。米国からの鉄鋼・豚肉・リンゴなどに関税を適用するとした。

ただ、家畜の飼料に使うトウモロコシや大豆などの穀物は関税対象に含まなかった。

米国産トウモロコシの最大の輸出先はメキシコ。同国の米国産トウモロコシと大豆の年間輸入額は40億ドルに上る。

こうした飼料用穀物への関税導入は米国の農家だけでなくメキシコの農家にも打撃となるため、最終手段といえる。ただ、メキシコはすでにブラジルやアルゼンチンなど米国以外からの穀物輸入を増やしており、米国産穀物への関税導入の影響を軽減することは可能だ。

メキシコの農業ロビー団体代表、ボスコ・デ・ラ・ベガ氏によると、今月4日に経済省で行われた会合で米国産穀物への関税が協議され、グアハルド経済相も会合に出席していたという。

デ・ラ・ベガ氏は、穀物への関税は、米国との貿易摩擦が危機的状況に陥った場合の策として「あえて残された」との考えを示した。米国以外からの穀物輸入を増やし、米国産穀物への高関税の影響を相殺するため、無税の輸入枠を設ける可能性について経済省で検討中だという。

同氏はまた、穀物関税は米国の「コーンベルト」に打撃を与えるものだと指摘。同地域を構成するミズーリ、カンザス、アイオワ、ネブラスカなどの州はいずれも2016年大統領選でトランプ氏への票が多かった。

デ・ラ・ベガ氏は、メキシコが穀物関税を検討し警戒を強める理由は、トランプ政権が国家安全保障を理由に自動車や自動車部品に関税を課して輸入を制限するための調査を開始したことにあると述べた。輸入制限が発動されれば、メキシコの自動車産業が打撃を受けかねない。

メキシコ農業省の国際貿易責任者ラウル・ウルテアガ氏は、メキシコは「現時点で」米国産穀物を関税対象としていないと説明。その上で、代替的な輸入先を探しているとも述べ、将来的に米国産穀物に関税を課す可能性を排除しなかった。

同氏は、昨年に国内の穀物バイヤーを率いてブラジルとアルゼンチンを訪問したことについて、米国に代わる穀物輸入先を開拓することが狙いだったと明らかにした。

メキシコ経済省の当局者は、米国産穀物への関税導入を検討しているかどうか明らかにしなかった。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

ニュース速報

ビジネス

中計売上高1兆円は前倒しで進捗=高橋ドンキホーテH

ビジネス

日立子会社の英原発建設計画、欧州委が環境面で「肯定

ワールド

オランダで音楽フェス終了後の会場に車が突っ込む 1

ワールド

ロンドン市など、ガソリン・ディーゼル車の販売禁止前

MAGAZINE

特集:米朝会談の勝者

2018-6・26号(6/19発売)

トランプ、金正恩、日本、中国......世紀の対面で得したのは? 会談結果から見えてくる米朝交渉と非核化の行方

人気ランキング

  • 1

    大阪北部地震、被害状況しだいに判明 企業活動にも影響が

  • 2

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、被害続発する事情とは

  • 3

    頭は鳥、体は魚!? 釣り針にかかった奇妙な生き物の正体は...

  • 4

    女児型セックスロボットは社会の敵

  • 5

    大阪北部で震度6弱、3人死亡 JR・私鉄が運休、工…

  • 6

    生まれつき膣のない女性に魚の皮で「新しい膣」 人…

  • 7

    イスラエルとイラン、戦争で勝つのはどっちだ

  • 8

    北朝鮮の脅威が去れば、日本の次の「敵国」探しが始…

  • 9

    新しい音楽を楽しめるのは30歳まで?

  • 10

    手術されるインターセックスの子供たち トップモデ…

  • 1

    頭は鳥、体は魚!? 釣り針にかかった奇妙な生き物の正体は...

  • 2

    女児型セックスロボットは社会の敵

  • 3

    生まれつき膣のない女性に魚の皮で「新しい膣」 人生初のセックスは「上手くいった」!

  • 4

    北朝鮮の脅威が去れば、日本の次の「敵国」探しが始…

  • 5

    「魚や貝を通じてプラスチックを食べている」という…

  • 6

    新しい音楽を楽しめるのは30歳まで?

  • 7

    キモかわいい! 「人間」すぎる人面犬にネットが大…

  • 8

    サンスクリット語でマントラを暗唱すると、脳灰白質…

  • 9

    大阪北部地震、被害状況しだいに判明 企業活動にも…

  • 10

    「寄付してくれたら結婚します」 白血病の妹を助け…

  • 1

    頭は鳥、体は魚!? 釣り針にかかった奇妙な生き物の正体は...

  • 2

    会談中止で言ってることが支離滅裂......金正恩のメンタルは大丈夫か

  • 3

    トランプみごと!──金正恩がんじがらめ、習近平タジタジ

  • 4

    中国激怒──米朝首脳会談中止

  • 5

    北朝鮮から軍将校と住民が「脱北」 19日未明に黄海上…

  • 6

    厳罰に処せられる「ISISの外国人妻」たち

  • 7

    生まれつき膣のない女性に魚の皮で「新しい膣」 人…

  • 8

    クルド女性戦闘員「遺体侮辱」映像の衝撃──「殉教者…

  • 9

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

  • 10

    女王のハートを射止めた新たな「ロイヤル・ドッグ」…

グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
ニューズウィーク・デジタル編集部アルバイト募集
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版

SPECIAL ISSUE 丸ごと1冊 プーチン

絶賛発売中!