ニュース速報

ワールド

豪家計債務、現時点で金融リスクにならず=中銀総裁補

2018年02月20日(火)13時12分

 2月20日、オーストラリア準備銀行(中央銀行)のブロック総裁補(金融システム担当)は、豪家計債務は比較的高い水準にあり、景気が悪化すれば金融ストレスにつながる恐れがあるものの、現時点では全体としてストレスは低いレベルにあり、金融システムへのリスクにはなっていないとの認識を示した。写真はシドニーで2016年12月撮影(2018年 ロイター/Jason Reed)

[シドニー 20日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)のブロック総裁補(金融システム担当)は20日、豪家計債務は比較的高い水準にあり、景気が悪化すれば金融ストレスにつながる恐れがあるものの、現時点では全体としてストレスは低いレベルにあり、金融システムへのリスクにはなっていないとの認識を示した。

総裁補は、責任ある融資に関する会合で行った講演で、金融システムは堅固で資本も潤沢だと述べ、慎重な貸出基準がそれを支えているとの見方を示した。

その上で「われわれが入手している情報によると、金融ストレスは局所的に見られるものの、住宅ローンを抱える家計のストレス水準は全体的に依然として比較的低いようだ」と指摘。「このため、家計債務による金融安定へのリスクは依然として低い。ただ、状況を注視する必要がある」と述べた。

中銀の統計によると、豪家計所得に対する住宅ローン債務の比率は2017年末時点で平均140%前後と、12年時点の約120%から上昇している。

ブロック総裁補は「家計債務の水準が高いほど、キャッシュフロー、つまり消費は金利上昇の影響を受けやすくなる」と指摘した。

「債務水準の高い家計は、失業率の上昇や住宅価格の大幅下落といったネガティブなショックによって消費を著しく控える可能性があり、景気悪化を加速させるかもしれない」との見方も示した。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中