ニュース速報

ワールド

米バージニア州の衝突、トランプ氏の「双方に責任」発言に批判拡大

2017年08月17日(木)08時58分

 8月16日、トランプ米大統領が前日、バージニア州で白人至上主義団体と反対派が衝突した事件に関して「双方に責任がある」と発言したことに、批判が拡大している。共和党有力議員らが大統領に抗議したほか、メイ英首相も批判を表明した。写真はニューヨークのトランプタワーの前で抗議活動をする人々。15日撮影(2017年 ロイター/Amr Alfiky)

[ワシントン/ニューヨーク 16日 ロイター] - トランプ米大統領が15日、バージニア州で白人至上主義団体と反対派が衝突した事件に関して「双方に責任がある」と発言したことに、批判が拡大している。共和党有力議員らが大統領に抗議したほか、メイ英首相も批判を表明した。

大統領は15日、ニューヨークのトランプタワーでの記者会見で、バージニア州シャーロッツビルでの衝突について「双方に責任がある」と発言。さらに「双方に良い人々がいる」とも語った。

上院のマコネル共和党院内総務は声明を発表し、トランプ大統領を名指しはしなかったものの、米国は白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」やネオナチ・グループなどによる「憎悪と偏見のメッセージ」を許すことはないと言明した。

オハイオ州のケーシック知事は、NBCの番組「トゥデイ」で、「米大統領はヘイトグループ(人種差別などの扇動グループ)を糾弾すべきだ」と語り、さもなければ、こうした組織は自分たちが勝利したと感じ、同様の事件をまた引き起こすだろうと述べた。

共和党のグラム上院議員は声明で「大統領の発言は米国民を分断しており、救っていない」と批判した。

さらに、ブッシュ(父)とブッシュ(子)の両元大統領は共同声明を発表。「米国は常に人種偏見、反ユダヤ主義、そしてあらゆる形の憎悪を拒否しなければならない」と訴えた。

こうした反発は国内のみにとどまらず、メイ英首相も批判を表明。トランプ大統領のスタンスに関する記者団からの質問に対し、メイ首相は「ファシスト的な視点を持つ人と、それに反対する人が同等であるとは思わない。責任ある立場に就いている人すべてが、極右的な見解を非難することが重要だ」と語った。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国軍機14機が中間線越え、中国軍は「実践上陸訓練

ビジネス

EXCLUSIVE-スイスUBS、資産運用業務見直

ワールド

ロシア産肥料を米企業が積極購入、戦費調達に貢献と米

ビジネス

ECB、利下げごとにデータ蓄積必要 不確実性踏まえ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中