アングル:4月の日本株は波乱含み、「持たざるリスク」に一巡感 益出しも警戒
写真は2025年12月、都内の株価ボード前で撮影。REUTERS/Issei Kato
Noriyuki Hirata
[東京 27日 ロイター] - 年初から2月にかけて急騰をみせた日本株だが、相場を押し上げてきた海外投資家の買いエネルギーの変調を懸念する声が浮上している。構造改革への期待は根強い一方、「持たざるリスク」を背景とした買い需要には一巡感も漂いつつある。需給面では4月の新年度入りを控えて益出し売りへの警戒感がくすぶる。
<海外投資家の期待、バークシャーの動きが象徴>
東証のデータによると、海外投資家は年初から3月中旬までに現物で約4.4兆円を買い越した。高市早苗首相の政策遂行力への期待に加え、日本企業の中長期での構造変化への思惑も根強い。
象徴的な事例と受け止められているのが、バークシャー・ハサウェイによる東京海上ホールディングスへの出資だ。業務提携の側面が強いが、日本企業の資本効率改善や株主還元の取り組みに対する海外投資家の信認を映した動きとの受け止めもある。東海東京インテリジェンス・ラボの安田秀太郎マーケットアナリストは「割安ならいい銘柄を買いたい海外投資家は多い」と指摘する。
6月と目されるコーポレートガバナンス・コード(CGコード)の改定も、企業の資本政策や開示姿勢の改善を促す契機として意識されている。自社株買いや配当の拡充、非効率資産の見直しといった動きが加速すれば、日本株のバリュエーション見直しにつながるとの期待がある。「ガバナンス改革への期待感は継続している」と、りそなホールディングスの武居大暉市場企画部ストラテジストは話す。
多くの金融機関が新年度入りする4月は、2000年以降で月間の平均騰落率は1.1%上昇で、11月の2.1%上昇や12月の1.5%上昇に次いで3番目に高い月に当たる。アノマリー(経験則)の面から株高を意識する声も根強い。
<相場つき一変のリスク>
もっとも今年の4月は、需給構造の変化がそのアノマリーを打ち消す可能性がある。
足元の日経平均5万3000円台は、25年3月末から約50%高の水準となる。中東懸念がくすぶる中では「(金融機関は)良い運用成績を確保するため、早めに利益を確定したくなる。年度初めの益出し売りが膨らんでもおかしくない」(フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッド)との声がある。
過去1年が株高だった年の4月の地合いが弱いことは、データでも示されている。2000年以降でみると、3月末までの1年間が株高だった年の4月は、平均騰落率がマイナス0.3%となっている。
加えて、足元では、需給構造にも変化がうかがわれる。年初から3月第3週までの海外投資家による現物の買い越し4.4兆円は、25年の1年間の現物買い越し5.4兆円に接近する急速な拡大でもある。過去10年でみると、長らくマイナス圏にあった累積のポジションは、中立水準を回復した。少なくとも現物ベースでは、日本株の「持たざるリスク」はいったん一巡したとの見方がある。
「マクロのイベント要因で買っていくには一服感がある」とりそなHDの武居氏はみている。仮に中東情勢が沈静化した場合でも、現物のロングポジションをさらに積み上げるだけの新規資金の流入は見込みにくいとの見方だ。
一方、将来の売り圧力として意識される裁定買い残や信用買い残は歴史的な高水準に積み上がっている。直近の反発局面で上値が重いのはこのためとみられている。
ポジティブ材料への反応が限定的となりやすい一方、ネガティブ材料には敏感に反応しやすい需給状況となっている。中東情勢を巡る不確実性がこうした非対称性を一段と強める要因になるリスクを警戒する声は根強い。
ポイントになりそうなのが、海外短期筋の動きだ。大証のデータでは、先物は過去10年間で売り越しが積み上がり13兆円となっている。年初からでも約6800億円の売り越しだ。
好材料が出れば、踏み上げ相場(ショートスクイーズ)になる可能性があるとフィリップ証券の増沢氏はみており「4月はどちらに振れても、振れ幅が大きくなりそうだ」と話している。





