NY市場サマリー(23日)ドル156円台前半 長期金利ほぼ横ばい 金は連日の最高値更新
<為替> クリスマスを控えた薄商いの中、ドルが円やユーロなどの主要通貨に対し下落した。第3・四半期の米経済成長率が予想を上回ったものの、連邦準備理事会(FRB)に対する利下げ圧力が意識されていることがドル相場の重しになっている。
米商務省が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比4.3%増加した。旺盛な個人消費にけん引され、エコノミスト予想の3.3%を上回って成長。伸びは第2・四半期の3.8%から加速し、過去2年間で最も速いペースでの成長となった。
シルバー・ゴールド・ブル(トロント)の外為・貴金属リスク管理ディレクター、エリック・ブレガー氏は「FRBは労働市場が健全な状態にないと認めざるを得なくなる」とし、「来年は少なくとも第1・四半期にドル安が進む可能性がある」と指摘。「FRBはこれまで以上に(利下げに向け)譲歩を余儀なくされる可能性がある。市場は利下げを求めており、(来年5月に任期が切れるパウエルFRB議長の後任となる)次期FRB議長には、その実現に向けてハト派的な姿勢を取る人物が据えられる可能性が高い」と述べた。終盤の取引でドル/円は0.5%安の156.26円。
円相場を巡っては、政府・日銀による円買い・ドル売りの為替介入の実施が引き続き警戒されている。こうした中、 片山さつき財務相は23日の閣議後会見で、足元の為替相場の動きについて「ファンダメンタルズを反映しているとは到底思えない」と指摘、投機的な動きも含め、行き過ぎた動きに対しては9月に出した日米財務相共同声明の考え方を踏まえて「対応を取る」と述べた。
シルバー・ゴールド・ブルのブレガー氏は日銀が18─19日に開いた金融政策決定会合で決定した利上げについて「タカ派とは言えない利上げだった」と指摘。「日銀の政策決定会合のたびに、利上げサイクル入りの観測が過度に高まるが、当局者はいつもそうした観測を抑え込む」とし、「観測が抑え込められ続けているため、(現在見られている)値動きの多くは、円高を見込んだポジションの手仕舞いにすぎない」との見方を示した。
主要6通貨に対するドル指数は0.2%安の98.02。
ユーロ/ドルは0.2%高の1.1779ドル。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 国債利回りが序盤の上昇分を縮小した。この日発表された第3・四半期の国内総生産(GDP)の伸びは予想を上回った一方、 消費者信頼感指数は市場予想を下回った。
米商務省が発表した第3・四半期のGDP速報値は年率換算で前期比4.3%増加し、伸びは第2・四半期の3.8%から加速。過去2年間で最も速いペースでの成長となった。一方、コンファレンス・ボード(CB)が発表した12月の消費者信頼感指数は89.1と、前月から3.8ポイント低下し、市場予想の91.0を下回った。
10年債利回りは4.171%、30年債利回りは4.829%と、いずれもほぼ横ばいで推移。両利回りは、取引序盤にGDPの発表を受けて上昇していたものの、終盤にかけて上昇幅を縮小した。
2年債利回りは3.81ベーシスポイント(bp)上昇の3.544%。2年債と10年債の利回り格差は63.1bpとなった。5年債利回りは2.1bp上昇の3.739%となった。
ノースライト・アセット・マネジメントの最高投資責任者、クリス・ザッカレリ氏は「経済がこの水準で生産を継続すれば、景気減速をそれほど心配する必要はなく、むしろインフレ抑制が再び懸念材料となる可能性がある」と述べた。
インフレ期待指標として注目されるドル建て5年先5年物フォワード・スワップは2.447%となった。
市場が織り込む米連邦準備理事会(FRB)が次回の1月会合で利下げを実施する確率は13.3%。
財務省が実施した700億ドルの5年債入札は、応札倍率が2.35倍と、過去平均の2.4倍を下回った。
財務省は24日には440億ドルの7年債入札を実施する。
債券市場は24日は東部標準時午後2時(日本時間25日午前4時)までの短縮取引、25日のクリスマスは休場となる。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式>
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、地政学リスクの高まりやドル軟化に伴う割安感を受けた買いに3営業日続伸した。中心限月の清算値ベースで最高値更新は3営業日連続となった。
7─9月期の米実質GDP(国内総生産)速報値で経済の力強さが浮き彫りになったことを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ期待がやや後退し米長期金利の指標である10年債利回りが大幅上昇。利子の付かない資産である金の投資妙味が薄れ、売りが先行したため相場は一時4460ドル近辺まで下げた。
ただ、安値圏では押し目の買いが活発になり、相場の上伸基調に変調はなかった。米国とベネズエラの関係が緊迫する中で、安全資産としての金の需要が継続。外国為替市場ではこの日、ドルが対ユーロで軟化したため、ドル建てで取引される金の支援要因となった。
金先物相場は今年に入り、現時点で約70%上昇している。地政学リスクの高まりやFRBの利下げ、各国中央銀行による旺盛な金購入に加え、積極的な投資需要などを背景に騰勢が強まる展開。一部の市場関係者からは、相場が来年5000ドルの大台に達するとの強気な予想も聞かれた。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、強弱まちまちの米経済統計を眺めて荒い値動きとなった後、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.37ドル(0.64%)高の1バレル=58.38ドル。3月物は0.29ドル高の58.13ドルだった。
7─9月期の米実質GDP(国内総生産)速報値を受け、来年の利下げペースが鈍化するとの見方が拡大し、市場はいったん売りで反応。しかし、その後の民間調査では、12月の消費者景況感の一段の悪化が確認されたため、一転して買い戻しが優勢となった。
一方、市場はベネズエラやロシアからの原油供給が途絶えるリスクを警戒。国際情勢の緊張を踏まえ、来年の石油供給余剰が想定より小規模になる可能性があるとの分析も台頭している。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY午後4時 156.30/156.
31
始値 155.97
高値 156.54
安値 155.88
ユーロ/ドル NY午後4時 1.1789/1.17
90
始値 1.1795
高値 1.1801
安値 1.1765
米東部時間
30年債(指標銘柄) 16時09分 96*27.50 4.8242%
前営業日終値 96*18.50 4.8430%
10年債(指標銘柄) 16時07分 98*21.00 4.1667%
前営業日終値 98*20.00 4.1710%
5年債(指標銘柄) 16時06分 98*30.00 3.7374%
前営業日終値 99*00.75 3.7180%
2年債(指標銘柄) 16時04分 99*22.38 3.5321%
前営業日終値 99*24.25 3.5030%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 48442.41 +79.73 +0.16
前営業日終値 48362.68
ナスダック総合 23547.02 +118.19 +0.50
前営業日終値 23428.83
S&P総合500種 6909.79 +31.30 +0.46
前営業日終値 6878.49
COMEX金 2月限 4505.7 +36.3
前営業日終値 4469.4
COMEX銀 3月限 7113.7 +257.2
前営業日終値 6856.5
北海ブレント 2月限 62.38 +0.31
前営業日終値 62.07
米WTI先物 2月限 58.38 +0.37
前営業日終値 58.01
CRB商品指数 301.6678 +2.9782
前営業日終値 298.6896
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