SBG、オープンAIへの出資年内完了に奔走 投資売却など検討
ソフトバンクグループの孫正義会長。2月3日、都内で撮影。REUTERS/Kim Kyung-Hoon
Echo Wang Miho Uranaka Krystal Hu
[ニューヨーク/東京/サンフランシスコ 19日 ロイター] - ソフトバンクグループ(SBG)は、一部の投資売却を含むさまざまな資金調達手段を通じて年内にオープンAIへの225億ドルの出資を完了させようと奔走しており、英半導体設計大手アーム・ホールディングスの株式を担保にしたマージンローンの未使用枠を活用する可能性があると関係者らが明らかにした。
SBGは生成AI(人工知能)「チャットGPT」を手がけるオープンAIへの出資を進めるため、保有する米半導体大手エヌビディアの全株式を58億ドルで売却するなどしている。
関係者2人によると、孫正義会長兼社長はビジョン・ファンドにおける他の多くの案件のペースを緩め、5000万ドル超の案件には孫氏の承認が必要になったという。
SBGは決済アプリを運営するペイペイの新規株式公開(IPO)を目指しており、調達額は20億ドルを超える可能性がある。当初は今月中とみられていたIPOは米政府機関閉鎖の影響で延期され、関係者によると来年第1・四半期になると予想されている。
SBGは保有する中国配車大手ディディ・グローバルの一部株式を売却することも検討しているという。
SBGはコメントを控えた。
関係筋によると、同社にはマージンローン、バランスシート上の現金、上場企業の株式、社債、ブリッジローンなど利用可能な資金源が複数ある。孫氏にはオープンAIへの出資を履行するためにさまざまな資金調達手段を利用する強い理由がある。
SBGは4月、オープンAIに最大300億ドルを出資することで合意した。このうち100億ドルは同月中に支払い、残りはオープンAIが年内に営利企業に移行することが条件だったが、オープンAIは10月にこれを達成した。
オープンAIの評価額は4月の出資合意時点で3000億ドルだったが、それ以来大幅に上昇。関係者の1人によれば現在は9000億ドル近くに上っており、出資が完了すればSBGに大幅な帳簿上の利益をもたらすという。
SBGの主要な資金源はアームの株式を利用したマージンローンだ。SBGは最近、マージンローンの借入枠を65億ドル拡大し、未使用の借入枠は115億ドルとなった。
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