村田製、MLCC依存の引き下げ「十分進捗せず」=社長
2016年10月3日、千葉・幕張メッセで撮影。 REUTERS/Toru Hanai
Ritsuko Shimizu
[横浜市 1日 ロイター] - 村田製作所の中島規巨社長は1日、ロイターなどの取材に応じ、強みである積層セラミックコンデンサー(MLCC)への依存度の引き下げが「十分に進捗していない」と述べた。同社は、MLCCに収益を頼らないビジネスモデルの創出に取り組む方針を掲げている。
MLCCは半導体集積回路の電流を制御するために使用される部品で、人工知能(AI)サーバー向けなどで需要は増加している。中島社長は、2030年度の需要が25年度比で3.3倍になるとみている。
ただ、同社はMLCC以外の事業でも利益を出すことができるように基板事業に新たな付加価値を付けることなどを検討しており、その中ではM&Aも活用する方針だが今年は実施には至らなかった。
中島社長によると「大きな規模も含めて、バラエティーに富んだものを調査している。事業の成長への寄与、フィロソフィのマッチング(価値観の一致)などを判断している」ものの、「実際に対話をしたところもあるが、今のところ、全てにマッチングするところは出ていない」という。
27年度までの3年間で2000億円の戦略投資を考えており、引き続き、M&Aやアライアンスを模索していく。
中国の売上高比率が高い同社に対しては、日中関係の緊張の高まりにより「直接の影響は今はないが、顧客から供給の心配をされている」という。顧客には「われわれが供給を停止するようなことは絶対にないと説明している。こうした状況の説明をする機会は増えている」と明かした。25年4―9月期で中華圏の売上高に占める割合は48%となっている。





