英国債とポンドに買い、予算案受け財政懸念が後退
英5ポンド紙幣に描かれたチャールズ国王の肖像画(2025年11月25日、英国マンチェスターにて撮影)。REUTERS/Phil Noble
[26日 ロイター] - 26日の市場で、英長期国債と英ポンドに投資家の買いが集まった。 リーブス英財務相が同日発表した予算案が長期財政を巡る懸念を幾分和らげた。
30年国債利回り は終盤の取引で11ベーシスポイント(bp)低下し5.215%。1日の低下幅としては4月中旬以来最大となる見込み。
アナリストらによると、債務管理局が予定していた複数の入札を中止したことで、政府が売却を予定している新規の長期債の額が減少すると見込まれたため、利回りの低下は午後にかけて加速した。
英ポンドは0.5%高の1.32295ドルだった。過去1週間の上昇率は1.325%と、8月以来で最大となった。
複数の金融機関が予算案を受けてポンドと英国債の投資判断を変更した。野村は、ポンドに対するユーロ買い推奨を終了したと発表。予算案がポンドに打撃を与える可能性のある「主要なテールリスクを回避した」ことを理由とした。みずほのアナリストは、米国債よりも英国債に強気であると述べた。
JPモルガンのジェイミー・ダイモン会長兼最高経営責任者(CEO)は異例の声明を発表し、財政規律は市場が歓迎すべきものだと述べた。
イングランド銀行(英中央銀行、BOE)の金利決定に関する予想は、予算案発表前と比べてほとんど変わっていない。
投資家はリーブス氏の予算案を大部分で歓迎したが、一部のエコノミストは大幅な増税とそれが長期的に経済成長に及ぼす影響について慎重な姿勢を示した。ピール・ハントの主任エコノミスト、カラム・ピカリング氏は「懸念されるのは、財政の余裕資金が220億ポンドと、現在の99億ポンドより拡大する見通しだが、構成を見るとその多くが後回しになっていることだ」と述べた。





