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英中銀、投資銀業務分離規制の一部緩和検討か 抜本改革には反対

2025年11月18日(火)16時58分

ロンドンのイングランド銀行前で6月撮影。REUTERS/Carlos Jasso

Phoebe Seers Tommy Reggiori Wilkes

[ロンドン 18日 ロイター] - 銀行に預金などの伝統的なリテール業務とリスクのある投資銀行業務の分離を義務付けた英国の「リングフェンス」と呼ばれる規制について、イングランド銀行(英中央銀行)は、規制の中核部分を維持して一部緩和する準備を進めている。関係筋が明らかにした。

リングフェンスは、金融危機時に金融機関を公的資金で救済したことを教訓に作られた。預金残高が350億ポンド(461億ドル)以上の銀行が対象で、ロイズ、ナットウエスト、HSBC、バークレイズ、サンタンデールUKに適用されている。

この規制については、英銀の国際競争力を損ねているとの批判がある。リーブス財務相は7月、経済成長を促進する取り組みとして行政手続きの合理化を掲げ「有意義な」改革を約束した。

関係筋によると、銀行側は、リングフェンス規制対象外の銀行が預金を他の業務に使えるように、規制対象の銀行も一部資金を投資銀行業務などに使えるようにしてほしいと財務省に働きかけている。

しかし、英中銀の健全性規制機構(PRA)の当局者は、銀行の要望はリングフェンスをなくすことに等しいとして反対している。その代わり、重要なバックオフィス(後方事務)機能を2部門で共有することや、バニラ・デリバティブのような業務をリングフェンスされた部門が行うことを認めるなど、より小さな変更に前向きだという。

PRAは2026年初頭に財務省とともに改革案を提示する予定だと関係筋は述べた。

PRAはコメントを控えた。財務省はコメント要請に応じていない。

ロイター
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