追加利下げ急がず、インフレ高止まり=米シカゴ連銀総裁
米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は3日、米国のインフレはなお高止まりしているとして、追加利下げを急がない考えを示した。写真はニューヨークで4月撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
[3日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は3日、米国のインフレ率は連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%をなお大きく上回っていると指摘し、追加利下げを急がない考えを示した。
グールズビー氏はヤフー・ファイナンスのインタビューで、連邦準備理事会(FRB)の12月の次回会合でどのように投票するか「まだ決めていない」としながらも、「直近の2回のFOMCより、利下げに踏み切るためのハードルはやや高くなっている」と語った。
物価情勢については、インフレ率はこれまで4年半にわたりFRBの目標を上回っており、「誤った方向」に進んでいると指摘。インフレの側面の方を懸念していると述べた。労働市場については、弱含みの兆しが出ているものの、多くの経済指標で労働市場はなお安定していることが示されていると指摘。ただ、政府機関が一部閉鎖されていることで重要な経済指標の発表が滞り、先行き不透明感が強まっているとの認識を示した。
その上で、金融政策の道筋は物価動向次第になるとの考えを示し、「金利をかなり引き下げることは可能」としながらも、「インフレの低下に合わせて金利を引き下げていくことが最も賢明な策になる」と語った。
足元の経済情勢に対する自身の見方については、FRBが最新の経済見通しを示した9月の時点から大きく変わっていないと言及。経済指標の発表が滞り、視界不良の中で前倒しで利下げを実施することには懸念があるとし、行き過ぎた利下げには慎重にならなくてはならないとの考えを示した。
FRBは10月28─29日に開いたた連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利下げを決定。利下げは9月に続き、2会合連続だった。次回のFOMCは12月9─10日に開く。
グールズビー総裁は今年のFOMCで投票権を持っている。





