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米株式市場はAIブームの限界を見落とし=ブリッジウォーター共同CIO

2025年11月04日(火)08時25分

4月7日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の外のウォール街で撮影。 REUTERS/Brendan McDermid

Niket Nishant Manya Saini

[3日 ロイター] - 米ヘッジファンド大手ブリッジウォーター・アソシエイツの3人の共同最高投資責任者(CIO)は3日、投資家が現在の市場安定性のリスク拡大と、特に米国での人工知能(AI)ブームの限界を見落としていると顧客向けのノートで指摘した。その上で主要IT企業はAIおよび基盤インフラに数十億ドルを投じる一方で、そうした投資が過大な期待をつなぎ留めるのに必要なキャッシュフローを生み出すかどうかは依然不明確だと指摘した。

この指摘は、現在の株式市場がバブルに過ぎないとの懸念が高まっていることを浮き彫りにしている。S&P総合500種株価指数は2025年に入ってから16%上昇し、過去最高値の更新を繰り返しており、ITバブル時代の記憶を呼び起こしている。

3人はボブ・プリンス、グレッグ・ジェンセン、カレン・カーニオール・タンブールの各氏。ノートには「米株式はテクノロジー企業だけでなく、あらゆる企業の株価を押し上げた好条件が持続するかのような価格設定がなされている」とし、成長期待は「ITバブルの短期間を除けば、100年近くで最も楽観的な水準にある」と指摘した。

米国ではインフレ懸念や高金利、輸入品の関税を引き上げてきたトランプ政権の政策の不透明感、野党民主党との対立を背景にした政府機関の閉鎖が既に米史上2番目に長くなっている。ブリッジウォーターのノートは「今日の世界には変動要因が多くあるにもかかわらず、市場のリスク指標は動じていない」と疑問視。現在の株式市場には「予測不能かつ極端な結果が生じうる不愉快なほど高い確率」があると警告した。

ロイター
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