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10月米ISM製造業景気指数、8カ月連続50割れ 関税で納期長期化

2025年11月04日(火)04時48分

米供給管理協会(ISM)が3日発表した10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.7となった。前月の49.1から低下し、8カ月連続で拡大・縮小の分岐点である50を下回った。写真はオハイオ州コロンバスの工場で2024年3月撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)

Lucia Mutikani

[ワシントン 3日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が3日発表した10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.7となった。前月の49.1から低下し、8カ月連続で拡大・縮小の分岐点である50を下回った。新規受注が低迷しているほか、関税の影響でサプライヤーの納入に時間がかかっていることが背景にある。

それでも、ISMが長期的に経済全体の拡大を示すとしている42.3の水準は依然として上回っている。ロイターがまとめたエコノミスト予想は49.5だった。

10月に活動が拡大したのは、一次金属や輸送機器など6業種にとどまり、繊維、木材、化学製品、電気機器・家電・同部品、コンピューター・電子製品を含む12業種が縮小した。

サンタンデールUSキャピタル・マーケッツの米国チーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「関税は今年の大半において同セクターを混乱させてきた」と指摘。「個々の回答者のコメントから、4月序盤以降の二転三転する関税政策により企業は疲弊しており、顧客の大幅な購入控えで深刻な打撃を受けていることが分かる」と述べた。

一部の化学製品メーカーは、「関税が事業に与える影響に対する様子見姿勢は懸念へと変わった」とし、「大半の部門で注文が減少している」と述べた。

コンピューターや電子製品のメーカー各社は、「多くの場合、輸入コストは依然として米国内で調達するよりも魅力的だ」と述べた。

先行きを示す新規受注指数は49.4と、前月の48.9から上昇したものの、過去9カ月のうち8カ月で50を下回っている。

供給業者の納入を示す指数は54.2と、前月の52.6から上昇。関税措置によるサプライチェーン(供給網)の混乱を示唆した。同指数は50を超えると納入が遅延していることを示す。

支払い価格指数は58.0と、前月の61.9から低下したものの、なお高水準で推移している。

雇用指数は依然として低迷しており、ISMは「一時解雇(レイオフ)と欠員補充の見送りが多くみられる」と指摘した。

ロイター
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