テスラ販売、マスク氏政治活動で100万台超減少=NBER調査
10月28日、米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(写真)が2022年に短文投稿サイト、ツイッター(後にXに名称変更)を買収して以来、世論を二極化させる政治行動を取ったことで、テスラの米国での販売に深刻な打撃を与えた。アリゾナ州グレンデールで9月撮影(2025年 ロイター/Daniel Cole)
[28日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が2022年に短文投稿サイト、ツイッター(後にXに名称変更)を買収して以来、世論を二極化させる政治行動を取ったことで、テスラの米国での販売に深刻な打撃を与えた。イエール大学の経済学者による全米経済研究所(NBER)の調査報告書で明らかになった。
報告書は、マスク氏の党派的な政治活動がなかったら、2022年10月から25年4月にかけてテスラの販売台数は67─83%(約100万─126万台)多かったはずだとしている。
民主党支持層の買い手がテスラから離れたため、競合他社のEV・ハイブリッド車の販売を17─22%程度押し上げたという。
イエール大の研究者らは、この販売減少をマスク氏のますます党派性を強める行動と関連付け、共和党候補者への約3億ドルの献金やトランプ政権下での政府効率化省(DOGE)での指導的立場などを挙げた。
また報告書が引用した調査によると、マスク氏の政治的立場は、テスラの歴史的に強固な支持基盤である環境意識の高い民主党支持者を遠ざけた。
さらに、マスク氏の行動はカリフォルニア州のゼロエミッション車(ZEV)の販売目標達成を妨げたとし、マスク氏の党派的政治行動の影響がなければ、同州は2026年目標を達成していた可能性が高いと結論付けた。
カリフォルニア州におけるテスラ車の登録台数は第3・四半期に9.4%減少し、市場シェアは46.2%に低下した。





