インタビュー:追加利上げ、大きなショックなければ12月か来年1月=前田元日銀理事

10月23日、元日銀理事の前田栄治ちばぎん総研社長はロイターとのインタビューで、米国経済の下振れなど大きなショックがなければ日銀は12月か来年1月に追加利上げを実施する公算が大きいと述べた。写真は2023年1月、都内の日銀本店で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Yoshifumi Takemoto Leika Kihara
[東京 23日 ロイター] - 元日銀理事の前田栄治ちばぎん総研社長はロイターとのインタビューで、米国経済の下振れなど大きなショックがなければ日銀は12月か来年1月に追加利上げを実施する公算が大きいと述べた。また中立金利の推計からみて、日銀は政策金利を1%まで引き上げたいと考えているとの見方を示した。
前田氏は「世界経済がそれほど落ち込むことがなければ、内需が底堅いこともあり、日本経済は2026年度も潜在成長率を少し上回る成長率が現時点で見込まれる」との見通しを示した。大きなショックがなければ「次の利上げは今年12月か来年1月の可能性が高い」とし、「早ければ12月の可能性がある。12月よりも1月のほうが、米国経済や国内の春闘賃上げ動向をより確認できる面がある」と述べた。
その先については「12-1月に利上げを実施できる場合、その次の利上げ時期はほぼ半年後、夏ではないかと推察する」とした。来年にかけて再度追加利上げの公算が大きい理由は「(景気を冷やしも冷ましもしない)中立金利の水準を日銀は1.0─2・5%と推計している」と指摘。「このため日銀は政策金利を1.0%までは引き上げたいと考えているだろう。1%まで到達すると中立金利とみる水準の範囲内に入るため、それ以降はより慎重なペースでの利上げになる可能性がある」との展望を示した。
昨年のマイナス金利解除以降の日銀の利上げペースには、遅すぎてインフレを助長してきたとの批判もつきまとう。前田氏は「日銀が利上げに慎重な背景には、過去緩和が不十分と何度も批判されたこともあるだろう。同じような批判によって信認を低下させたくないと考えているのではないか」と解説する。
ただ、「日銀が依然国債を大量に保有していることが長期金利を下押している。110年かけて売却するというETF保有も量的にリスク資産を押し上げている。こうした資産保有の量的な効果を考えると、利上げのペースは本来もっと早い方が良い」とも指摘。「利上げが遅れると、インフレが加速した際、利上げのペースを上げないといけなくなり、結果として金融・経済を大きく変動させるリスクがある。本来はもう少し早いペースで利上げしていくのが望ましい」と述べた。
積極財政を掲げる高市早苗氏が首相に就任し、市場の一部では金融緩和継続期待が浸透しているが、前田氏は「高市新首相は政府と日銀の連携を指摘しているが、日銀法4条に政府・日銀の密な連絡については記載されており驚くべき発言ではない」とし、「日銀は2%の物価安定目標の実現に向け、淡々と金融政策を運営するだろう」と語った。
一方で「日本はほぼ完全雇用の状態にあり、積極的な財政政策はインフレ圧力を高める面もある」との懸念も示した。また「金融正常化が過度に遅れると円安等を通じて物価高が続き、国民生活を圧迫する側面もある。すでに日銀は慎重なペースで正常化を進めている。極端に慎重になると、さらにひずみを生むことになる」と述べた。
さらに「日本全体の地価が大きく上がっている状況ではないが、東京・都心の不動産価格が一般のサラリーマンの購入できない水準に上がっており、金融緩和の影響が考えられる」とも指摘、「日銀が経済の下ぶれリスクを気にすることは理解できるが、金融緩和の弊害も意識する必要がある」と語った。
*インタビューは22日に実施しました。
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