トランプ氏、牛肉価格対策で畜産農家に値下げ要求

10月22日、トランプ米大統領は畜産農家に牛の価格を引き下げるよう求めた。写真はインディアナ州の食肉競り市の様子、2016年9月撮影(2025年 ロイター/Jim Young)
Leah Douglas Tom Polansek
[ワシントン 22日 ロイター] - トランプ米大統領は22日、畜産農家に牛の価格を引き下げるよう求めた。トランプ政権は記録的な高値となっている国内牛肉価格の押し下げに取り組んでおり、この日は複数の政府機関も、大幅に減少した米国産牛の頭数を回復させる対策を発表した。
トランプ氏は今週、アルゼンチン産牛肉の輸入拡大を検討していると述べ、米国内の畜産農家から批判の声が上がった。
自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」への22日の投稿では、国内の畜産農家は輸入関税の恩恵を受けているが、米消費者の購入を促すために価格を下げる必要があると訴えた。
トランプ氏は「私が愛する牧場経営者らは経営が数十年ぶりに好調なのは、50%の対ブラジル関税など私が米国に輸入される牛に関税を課したからだということを理解していない」と指摘。「彼らは価格も下げなければならない。私の考えでは消費者は非常に重要な要素だからだ」と述べた。
数年にわたる干ばつで放牧地が枯れ、飼料費が高騰したため、牧場経営者は畜産頭数の削減を余儀なくされ、牛や牛肉の価格上昇につながっている。
農務省、内務省、厚生省、中小企業庁は22日に発表した計画の中で、連邦政府所有地での放牧拡大の検討や、一部の家畜プログラムへの支出拡大など、米国の牛の供給を増やす措置を講じると表明した。
ただ、エコノミストは放牧地が増えたとしても、牛が完全に成長するまでには約2年かかることなどから、米国産牛の価格を迅速に低下させる方法はないと指摘する。