ＥＣＢ、過度な調整不要 インフレ目標近辺なら＝オーストリア中銀総裁

欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事会メンバーのコッハー・オーストリア中銀総裁は１６日、米ワシントンで開かれた会合で、ＥＣＢはインフレ目標からの小幅な乖離（かいり）に過剰反応すべきではないとの考えを示した。９月撮影（２０２５年　ロイター/Lisa Leutner）

［ワシントン　１６日　ロイター］ - 欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事会メンバーのコッハー・オーストリア中銀総裁は１６日、ＥＣＢはインフレ率が目標の２％近辺で推移している場合は金利を安定的に維持し、目標からの小幅な乖離（かいり）があっても政策を過度に調整すべきでないとの考えを示した。

ＥＣＢの予測では、インフレ率は来年１．７％に低下し、その後数年間で目標の２％に戻るとされているものの、政策担当者の間では目標を下回る状態が続くのではないかとの懸念が高まっている。

コッハー氏は「私にとってこれは目標に近い水準であり、どちらの方向にも過剰反応すべきではない」と指摘。「目標をわずかに上回っている場合、過剰反応は賢明ではないというのが私の見解だ」と述べた。

ＥＣＢは６月以降、預金金利を２％に据え置いており、市場では年内は追加利下げがないとの見方が大勢となっている。

コッハー氏は、この政策スタンスを堅持し、現在の想定を超えるような新たなショックが生じた場合にのみ対応すべきだと指摘。インフレ率が目標の２％近辺にある限り、「政策を調整せず、われわれの行動を過度に変更しない十分な論拠があると思う」と述べた。