S&P、中国の格付けを「A+」に据え置き 見通し「安定的」

格付け会社S&Pグローバルは7日、中国の長期信用格付けを「A+」に据え置いた。上海ワールド・フィナンシャル・センターで7月撮影(2025年 ロイター/Go Nakamura/File photo)
[7日 ロイター] - 格付け会社S&Pグローバルは7日、中国の長期信用格付けを「A+」に据え置いた。不動産セクターや関税圧力からの逆風がある中でも、強力な財政刺激策によって中国の経済成長は持ちこたえるとの見解を示した。
格付け見通しは「安定的」。
S&Pは声明で「長期ソブリン信用格付けの安定的という見通しは、今後1─2年で中国が年間4%以上の自律的な経済成長に戻るという当社の見方を反映している」と表明。
「これにより、政府は今後数年間で経済に対する政策支援を段階的に縮小できるだろう」と述べた。
S&Pは、政府が今後3─5年で、より大規模な財政刺激策を目指すと予想される場合、中国を格下げする可能性があると述べた。一方、財政再建が予想より速く進んだ場合は、格上げする可能性があるとした。
S&Pは中国の外貨建て・自国通貨建て短期ソブリン信用格付け「A-1」も据え置いた。
中国財政省は7日、S&Pが中国のソブリン信用格付けを据え置いたことを歓迎するとし、政策余力を「ダイナミック」に調整し、年間の成長目標達成に努めると表明した。
格付け会社フィッチは4月、中国のソブリン格付けを引き下げていた。「格下げは中国の財政基盤悪化が続き、経済情勢の推移に伴って公的債務が急増するというわれわれの見通しを反映している」と説明した。