シンガポール大手行、業績に明暗 DBSは増益 UOB減益

シンガポールの大手銀行2行が7日発表した第2・四半期決算は明暗が分かれた。写真はDBS、UOBのATM。シンガポールで2016年撮影(2025年 ロイター/Edgar Su)
Yantoultra Ngui
[シンガポール 7日 ロイター] - シンガポールの大手銀行2行が7日発表した第2・四半期決算は明暗が分かれた。
東南アジア最大手のDBSグループは増益を確保し、通期見通しを維持したが、ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)は減益となり、マクロ経済の先行き不透明感を背景に通期見通しを引き下げた。
DBSの純利益は前年同期比1%増の28億2000万シンガポールドル(22億ドル)。LSEGがまとめた市場予想(27億7000万シンガポールドル)を上回った。
収入が拡大した。普通配当は前年同期比11%増の1株当たり60シンガポールセント。前年にはなかった15セントの特別配当も上乗せした。
株主資本利益率(ROE)は16.7%と、前年同期の18.2%から低下。純金利マージンも2.14%から2.05%に縮小した。
一方、UOBは純利益が6%減の13億4000万シンガポールドルと、LSEGがまとめた市場予想(14億7000万シンガポールドル)を下回った。減益は2024年第1・四半期以来。純金利収入が減少した。中間配当は前年同期比3.4%減の85セント。
DBSのタン・スーシャン最高経営責任者(CEO)は、外部環境には不確実性が残るが、成長の機会はあると指摘。通期の純金利収入は前年よりやや増加する一方、純利益は減少するとの見通しを据え置いた。
UOBは米関税の影響を見極めるため、5月にいったん見通しを保留にしていた。今回は25年の融資の伸びの予想を「1桁後半」から「1桁前半」へと下方修正。手数料収入の伸びについても「2桁」から「1桁後半」に予想を引き下げた。
UOBのウィー・イーチョン副会長兼CEOは、関税の直接的な影響は現時点で最小限にとどまっているが、消費マインドの悪化や投資活動の縮小といった間接的な影響を懸念していると述べた。
「(東南アジアのファンダメンタルズは)まだかなり堅調だが、今後のボラティリティーを管理する必要がある」とした。
同国のオーバーシー・チャイニーズ・バンキング(OCBC)が先週末発表した第2・四半期決算は、純利益が市場予想通りだったが、25年の純金利収入見通しを引き下げ、関税を巡る不透明感が続くと警告した。