ニュース速報
ビジネス

米家計債務、第2四半期は1%増 学生ローンで延滞増加

2025年08月06日(水)12時38分

ニューヨーク連銀が5日発表した第2・四半期の家計債務・信用報告書によると、米国の家計債務総額は前四半期比で1%増加し、18兆3900億ドルとなった。写真はニューヨークの米連邦準備理事会で撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

Michael S. Derby

[ニューヨーク 5日 ロイター] - ニューヨーク連銀が5日発表した第2・四半期の家計債務・信用報告書によると、米国の家計債務総額は前四半期比で1%増加し、18兆3900億ドルとなった。学生ローンや一部の住宅ローンで返済が滞るケースが増えている。

総債務は1850億ドル増加した。このうち住宅関連債務は1310億ドル増の12兆9400億ドルだった。

第2・四半期中に何らかの延滞状態に移行した債務の全体に占める割合は4.4%と、「高い水準」が続いた。

債務の種類別では、住宅ローンとホームエクイティローンの延滞は第1・四半期から「小幅な上昇」にとどまったが、学生ローンは「大幅に」増加した。これは、学生ローンの返済猶予措置が最近終了し、信用情報機関への延滞報告が再開されたことを受け、予想されていた。

報告書によると、学生ローンの10.2%が90日以上延滞している。連銀はこの問題が今後も続くとみている。

学生ローン全体の残高は1兆6400億ドル。学生ローンの問題は、他の種類の借り入れにも影響を与え、経済全体に影響を与える可能性がある。

連銀の経済政策アドバイザー、ジョエル・スカリー氏は「住宅ローンの延滞は最近増加しているが、歴史的な基準から見ると、全体のパフォーマンスは依然として堅調だ」と述べた。

ただ、連銀の研究者は報告書に付随するブログで、連邦住宅局(FHA)の住宅ローンで問題が顕著になっていると指摘。

「FHA住宅ローンは最近、延滞率が最も急上昇しており、四半期ごとに30日以上の延滞に移行する割合が4%を超えている」と指摘。また、この種の延滞は米南部とプエルトリコでより多く見られるという。

一方で、現在の高い延滞率は、パンデミック中に見られた人為的に低い延滞率の反動かもしれないと注意を促した。

今後、住宅価格が下落し続ければ、より多くの借り手が評価損に陥り、住宅関連債務に圧力がかかる可能性があるという。

その他、第2・四半期にはクレジットカード債務が前期比270億ドル増の1兆2100億ドルに、自動車ローン債務が130億ドル増の1兆6600億ドルになった。自動車ローンの増加の一部は、関税導入前に自動車を購入しようとする動きと関連しているという。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

タイCPI、7月前年比-0.7% 4カ月連続下落 

ビジネス

SNS企業は児童虐待コンテンツ「見て見ぬふり」、豪

ビジネス

富士フイルム、4─6月期の営業益21.1%増の75

ワールド

インド中銀、政策金利5.50%に据え置き 米関税に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 8
    【徹底解説】エプスタイン事件とは何なのか?...トラ…
  • 9
    かえって体調・メンタルが悪くなる人も...「休職の前…
  • 10
    永久欠番「51」ユニフォーム姿のファンたちが...「野…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 10
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 5
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 6
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 7
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 8
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中