スタンチャート、上期は26%増益 自社株買い13億ドル

7月31日、英銀行大手スタンダード・チャータード(スタンチャート)は、上期の税引き前利益が前年同期比26%増の43億8000万ドルとなったと発表した。ロンドンで2022年7月撮影(2025年 ロイター/Peter Nicholls)
Selena Li Lawrence White
[香港/ロンドン 31日 ロイター] - 英銀行大手スタンダード・チャータード(スタンチャート)は31日、上期の税引き前利益が前年同期比26%増の43億8000万ドルとなったと発表した。
同行がまとめた市場予想の38億3000万ドルを上回った。
ウェルスマネジメント業務、マーケット業務、グローバルバンキング業務が好調だった。
13億ドルの自社株買いを直ちに開始することも明らかにした。
好決算にもかかわらず、主要な業績目標はほぼ据え置いた。トランプ米大統領の貿易戦争が世界経済に広範な影響を及ぼす可能性があるとしている。
今年の利益予想はやや上方修正し、5─7%増のレンジを下回るのではなく、下限になると述べた。
トレーディング業務の営業利益は28%増の24億ドル。米国の貿易交渉を受けた市場の変動を受けて顧客の取引が活発化した。
ウェルスマネジメント業務は24%の増益。手数料収入の拡大に向けた取り組みが奏功した。市場の変動を受けて富裕層の間でアドバイスの需要が高まる中、資金流入と新規口座数が増加した。
上期は新たに13万5000人の富裕層顧客を獲得。280億ドルの純資金流入があった。
ライバルのHSBCのような中国関連の減損処理は回避したとみられる。上期の減損費用は3億3600万ドルで、主にウエルス&リテールバンキング部門に関連するものだった。
低迷する香港の商業用不動産セクターへのエクスポージャーは21億ドルで、総資産の0.5%未満。引当金は第2・四半期に3400万ドル増加し、1億1600万ドルとなった。
ただ、借り手の資金不足がさらなる減損につながる可能性があると警告した。