ニュース速報
ビジネス

関税の即刻見直しかなわないなら、合意は困難=日米交渉で赤沢再生相

2025年05月31日(土)04時39分

訪米中の赤沢亮正経済再生相は日本時間31日未明、4回目の日米関税協議を終えて現地で記者会見し、自動車や鉄鋼、アルミなど一連の関税措置について「(日本は)即刻見直しがかなわないなら合意は困難というポジションだ」と語った。写真は4月、東京で撮影。(2025年 ロイター/Issei Kato)

Yoshifumi Takemoto

[31日 ロイター] - 訪米中の赤沢亮正経済再生相は日本時間31日未明、4回目の日米関税協議を終えて現地で記者会見し、自動車関税について「米側も強い関心がある」としたうえで、自動車や鉄鋼、アルミなど一連の関税措置について「(日本は)即刻見直しがかなわないなら合意は困難というポジションだ」と語った。

赤沢再生相は4回目の会合について、合意に向けた議論の進展を確認できたとする一方、一連の関税措置の見直しを強く求める日本の立場は現時点で全く変わっていないと強調、協議の詳細・交渉の進捗状況については「残念ながら申し上げられることはない」とした。

今後の交渉スケジュールについてはコメントを控え、自身が再度訪米する可能性について「あるかもしれないし、ないかもしれない」と述べるにとどめた。

日米が経済安保上の協力を進めるため、半導体やレアアースの分野で協力する可能性に関しては「半導体は日米の強みを補い合うことで強靭なサプライチェーンを作り上げるというのがベースにある考え方だ」と指摘。「レアアースは重要なテーマだが具体的なやりとりについて詳細は控える」とした。

日本製鉄のUSスチール買収に関しては、米政府からまだ正式な発表があったわけではないとし、交渉にどういう影響があるかも含めて現時点で何か申し上げられることはないとした。

トランプ関税が大統領令を逸脱しているかが争われている米訴訟については「今後の裁判の行方も含め精査する」と述べるにとどめた。

この日の会談については、石破茂首相に簡潔に報告したという。

赤沢再生相は4回目の日米協議でベセント財務長官とラトニック商務長官と協議し、6月の主要国(G7)首脳会談(サミット)で想定される日米首脳会談に先立ち、閣僚間で再協議することで一致した。日本政府が発表した声明文によると、4回にわたる協議を通じ、日米が互いの立場を十分認識し、合意に向けた議論が進展していることを確認。赤沢再生相は米国による一連の関税措置の見直しを改めて強く申し入れた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ガザ停戦案、ハマスは修正要求 米特使「受け入れられ

ワールド

米国防長官、「中国の脅威」警告 アジア同盟国に国防

ビジネス

中国5月製造業PMIは49.5、2カ月連続50割れ

ビジネス

アングル:中国のロボタクシー企業、こぞって中東に進
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 4
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 5
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 6
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 7
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 8
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 9
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 10
    第三次大戦はもう始まっている...「死の4人組」と「…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 4
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 6
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 7
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 10
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中