関税の即刻見直しかなわないなら、合意は困難=日米交渉で赤沢再生相

訪米中の赤沢亮正経済再生相は日本時間31日未明、4回目の日米関税協議を終えて現地で記者会見し、自動車や鉄鋼、アルミなど一連の関税措置について「(日本は)即刻見直しがかなわないなら合意は困難というポジションだ」と語った。写真は4月、東京で撮影。(2025年 ロイター/Issei Kato)
Yoshifumi Takemoto
[31日 ロイター] - 訪米中の赤沢亮正経済再生相は日本時間31日未明、4回目の日米関税協議を終えて現地で記者会見し、自動車関税について「米側も強い関心がある」としたうえで、自動車や鉄鋼、アルミなど一連の関税措置について「(日本は)即刻見直しがかなわないなら合意は困難というポジションだ」と語った。
赤沢再生相は4回目の会合について、合意に向けた議論の進展を確認できたとする一方、一連の関税措置の見直しを強く求める日本の立場は現時点で全く変わっていないと強調、協議の詳細・交渉の進捗状況については「残念ながら申し上げられることはない」とした。
今後の交渉スケジュールについてはコメントを控え、自身が再度訪米する可能性について「あるかもしれないし、ないかもしれない」と述べるにとどめた。
日米が経済安保上の協力を進めるため、半導体やレアアースの分野で協力する可能性に関しては「半導体は日米の強みを補い合うことで強靭なサプライチェーンを作り上げるというのがベースにある考え方だ」と指摘。「レアアースは重要なテーマだが具体的なやりとりについて詳細は控える」とした。
日本製鉄のUSスチール買収に関しては、米政府からまだ正式な発表があったわけではないとし、交渉にどういう影響があるかも含めて現時点で何か申し上げられることはないとした。
トランプ関税が大統領令を逸脱しているかが争われている米訴訟については「今後の裁判の行方も含め精査する」と述べるにとどめた。
この日の会談については、石破茂首相に簡潔に報告したという。
赤沢再生相は4回目の日米協議でベセント財務長官とラトニック商務長官と協議し、6月の主要国(G7)首脳会談(サミット)で想定される日米首脳会談に先立ち、閣僚間で再協議することで一致した。日本政府が発表した声明文によると、4回にわたる協議を通じ、日米が互いの立場を十分認識し、合意に向けた議論が進展していることを確認。赤沢再生相は米国による一連の関税措置の見直しを改めて強く申し入れた。